BUKATSUDOでは年に2回、「文化祭」も行っているという。
「文化祭は、部活や講座に参加して終わりではなく、次のアクションを踏み出せる場をつくろうという目的からはじまりました。活動を外に向けて発信するキッカケになればと思って」
本屋講座や雑貨講座の受講生が小さなお店を開いたり、昭和文化研究部がハムカツを作ったり、タイ料理教室がスイーツづくりのワークショップを開いたり。来場者数は250人以上にのぼり、やりたいことを仕事にしていく転機となった人もいるという。
「6月の文化祭ではじめてBUKATSUDOに来てくれた方がいて、それを機にワークラウンジに入会してくださったんです。美容師を辞めて副業の占星術を本業にしたいということで準備を進めていらしたので、11月の文化祭で出店してみませんか? とお声がけしました。すると、次は自分が出店する側になれる! と喜んで占星術のお店を開いてくれて。タイミング的にも活動を知ってもらう足掛かりになったと話してくれました」
やりたいことがあっても、はじめられる環境はなかなかない。はじめた活動を知ってもらえる環境はもっとない。BUKATSUDOの文化祭にはその環境が整っている。それだけじゃない。文化祭で出店している人どうしで「次回は一緒にやりましょう」と活動が広がっていくこともある。昭和文化研究部では、文化祭での出会いをキッカケに「亀の子たわしをつくるワークショップ」を開催することになったという。笑ってしまうほどニッチだ。でも、それでいいのだ。やりたいことを好きなだけやっていいのが大人であり、大人の部活なのだから。
「自分が企画したものを共感してもらえるってすごく嬉しいですよね。それが伝わることで、参加者だった人が主催者になっていって。そのサイクルがまわっていくのがBUKATSUDOなのかなと思っています」
一生の趣味を、一生の仲間と。「大人の部活」に打ち込む大人の瞳が、子供みたいに活き活きと輝いて見えた仮入部。仕事と家族。人生にはもうひとつ、打ち込める何かがあっていい。そう、ぼくは思うのだった。
ライター 志賀章人(しがあきひと)