未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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「大人の部活」はじめませんか?

〜みなとみらいのBUKATSUDOで仮入部〜

文= 志賀章人
写真= 志賀章人、丹野雄二(一部提供)
未知の細道 No.59 |20 January 2016 この記事をはじめから読む

#6参加者だった自分が主催者になるサイクル

BUKATSUDOでは年に2回、「文化祭」も行っているという。

「文化祭は、部活や講座に参加して終わりではなく、次のアクションを踏み出せる場をつくろうという目的からはじまりました。活動を外に向けて発信するキッカケになればと思って」

本屋講座や雑貨講座の受講生が小さなお店を開いたり、昭和文化研究部がハムカツを作ったり、タイ料理教室がスイーツづくりのワークショップを開いたり。来場者数は250人以上にのぼり、やりたいことを仕事にしていく転機となった人もいるという。

「6月の文化祭ではじめてBUKATSUDOに来てくれた方がいて、それを機にワークラウンジに入会してくださったんです。美容師を辞めて副業の占星術を本業にしたいということで準備を進めていらしたので、11月の文化祭で出店してみませんか? とお声がけしました。すると、次は自分が出店する側になれる! と喜んで占星術のお店を開いてくれて。タイミング的にも活動を知ってもらう足掛かりになったと話してくれました」


やりたいことがあっても、はじめられる環境はなかなかない。はじめた活動を知ってもらえる環境はもっとない。BUKATSUDOの文化祭にはその環境が整っている。それだけじゃない。文化祭で出店している人どうしで「次回は一緒にやりましょう」と活動が広がっていくこともある。昭和文化研究部では、文化祭での出会いをキッカケに「亀の子たわしをつくるワークショップ」を開催することになったという。笑ってしまうほどニッチだ。でも、それでいいのだ。やりたいことを好きなだけやっていいのが大人であり、大人の部活なのだから。

「自分が企画したものを共感してもらえるってすごく嬉しいですよね。それが伝わることで、参加者だった人が主催者になっていって。そのサイクルがまわっていくのがBUKATSUDOなのかなと思っています」

一生の趣味を、一生の仲間と。「大人の部活」に打ち込む大人の瞳が、子供みたいに活き活きと輝いて見えた仮入部。仕事と家族。人生にはもうひとつ、打ち込める何かがあっていい。そう、ぼくは思うのだった。


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未知の細道 No.59

ライター 志賀章人(しがあきひと)

「え?」が「お!」になるのがコピーです。
コピーライターとして、核を書くことで、あなたの言葉にならない想いを言葉にします。
京都→香川→大阪→横浜で育ち、大学時代にバックパッカーとしてユーラシア大陸を横断。その後、「TRAVERINGプロジェクト」を立ち上げ、「手ぶらでインド」「スゴイ!が日常!小笠原」など旅を通して見つけたモノゴトを発信中。次なる旅は、夫婦で世界一周!シェアハウス暦8年の経験から、子育てをシェアする未来の暮らしも模索中。
伝えたいことを、伝えたいひとに、伝えられるようになる。そのために、仕事のコピーと、私事の旅を、今日も言葉にし続ける。
「新聞広告クリエーティブコンテスト」「宣伝会議賞」「販促会議賞」など受賞・ファイナリスト多数。

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
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様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
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