未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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「大人の部活」はじめませんか?

〜みなとみらいのBUKATSUDOで仮入部〜

文= 志賀章人
写真= 志賀章人、丹野雄二(一部提供)
未知の細道 No.59 |20 January 2016 この記事をはじめから読む

#4いろんな部活の大人たちと交わって食べる餃子部

営業時間内であれば、誰でもフラリと立ち寄れるBUKATSUDO。まずはコーヒーでも飲みながら、近くにいる人と話したり、部室を覗いてみたりするだけでも、こんなにも多くの出会いがある。でも、実際に大人の部活に参加すれば、もっと楽しめるはず。管理人の川島さんに相談すると「餃子部に来てくださいよ~!」と誘ってくれた。

餃子の「餃」という字は、「交」わって「食」べると書く。古来中国では、親戚が集まるときに家族で輪になり餃子をつくり、みんなで食べる文化があったとかなかったとか。「餃子部」もまた月に1度、15人ぐらいのメンバーが集まって、餃子をつくるところから楽しんでいる。会費もなんともアットホームな1,500円(ワンドリンク付き)。食べるだけの参加も大歓迎だという。


ぼくが参加させてもらった日は、餃子部史上最多という30人以上が集まった。活動も本格的で、有名レストランで働くネパール人シェフを招いて、ネパール餃子「モモ」の作り方を教えてもらう。

日本語が上手すぎて説明が早口なネパール人シェフ。「いま何て言ってたの?」と隣の人に聞きながら、餃子づくりも会話も進む。入れ替わり、立ち代わり、いろんな人と話しているうちに、完成した餃子を食べる頃には、すっかり場は温まり互いに打ち解けられていた。交わって食べるという説も全く侮れないものである。

話を聞いているうちに知ったのだが、餃子部の部員には「カメラ部」や「手芸部」など、部を掛け持ちしている人も多い。もちろん、はじめてBUKATSUDOに来たという人も、ワークラウンジで仕事場としてBUKATSUDOを利用している人たちも参加していて、まさにボーダレスな出会いがある。話しているうちに、その人が入っている部活に興味を持ったり、こんな部もあったらいいのに、と新しい部活が立ち上がったり、とにかく「おいしい部活」なのだ。


常連の部員さんたちを見ていると、学生時代の部活仲間を思い出す。放課後にすることがなくても、部室に行けば誰かがいる。会う約束なんていらなかった。そんな部活仲間も、今となってはアポを取って数年に一度、会えるかどうかだ。でも、大人の部活をはじめると、BUKATSUDOに行けば誰かがいる、仲間と会える。仕事の同僚と違って、肩書きもしがらみも何もない。純粋な「仲間」という関係をどこか懐かしく、そして羨ましく感じる自分がいた。

餃子部に参加するには、フェイスブックで「BUKATSUDO餃子部」と検索。タイムラインにあるイベントページに参加ボタンを押すだけ。ちなみに餃子部の部長は3人いて、1人はなんと管理人の川島さん。あらためてお話を聞いてみました。

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未知の細道 No.59

ライター 志賀章人(しがあきひと)

「え?」が「お!」になるのがコピーです。
コピーライターとして、核を書くことで、あなたの言葉にならない想いを言葉にします。
京都→香川→大阪→横浜で育ち、大学時代にバックパッカーとしてユーラシア大陸を横断。その後、「TRAVERINGプロジェクト」を立ち上げ、「手ぶらでインド」「スゴイ!が日常!小笠原」など旅を通して見つけたモノゴトを発信中。次なる旅は、夫婦で世界一周!シェアハウス暦8年の経験から、子育てをシェアする未来の暮らしも模索中。
伝えたいことを、伝えたいひとに、伝えられるようになる。そのために、仕事のコピーと、私事の旅を、今日も言葉にし続ける。
「新聞広告クリエーティブコンテスト」「宣伝会議賞」「販促会議賞」など受賞・ファイナリスト多数。

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「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
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様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
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