未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
275

座敷わらしの「亀麿」がもたらす一期一会 大人たちが童心にかえる宿「緑風荘」を訪ねる

文= 白石果林
写真= 白石果林
未知の細道 No.275 |25 February 2025
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#7「風呂になんかいた」

彼女たちにお礼を告げて部屋に戻り、ゆっくりしていたら24時になってしまった。そろそろ風呂に入らなければならないが、先ほどの3人組が「風呂になんかいた」と言っていたので、なかなか入る気にならない。

Bさん「温泉入ってる時、小柄な人が脱衣所に入ってきたのが見えたんですよ。誰か入ってきたなぁと思ったんやけど、少ししておれへんくなって。私らがいるから入るのやめたんかなぁって思ったんです。扉の音もしたもんね」

Aさん「私もその時、誰か入ってきたなって気づきました。ザワザワって、何人かの話し声が聞こえて、たくさん人きたなぁと思ってたら消えてしまって。Bちゃんに聞いて、やっぱり誰かいたよねって」

Cさん「私は一切なんも感じひん。何も知らんかった」

他のお客さんがいてくれるといいなぁと祈りながら風呂へ向かったが、祈りは届かなかった。目を閉じるのが怖いので、目を開いたままシャンプーを流したら、すごく痛かった。

滞在時間は10分もなかったと思う。もっと早い時間に入ればよかったと悔やみながら部屋へ戻り、私は仮眠をとった。

未知の細道のに出かけよう!

こんな旅プランはいかが?

大人たちが童心にかえる宿「緑風荘」を訪ねる

最寄りのICから【E4A】八戸自動車道「浄法寺IC」を下車
1日目
緑風荘にチェックインしたら、槐の間へ。亀麿にお供えをするもよし、宿泊客と亀麿の話題で盛り上がるもよし。夜はあたたかい露天風呂でリフレッシュ。
緑風荘
2日目
午前中に亀麿神社へ。金田一温泉の宿泊客は、緑風荘の受付でご朱印を買うこともできる(要前日予約)。チェックアウト後は、近隣のカフェでランチをして、周辺を散策しよう。「三浦哲郎ゆかりの家」や「分教場講堂」がある。
三浦哲郎ゆかりの家
分教場講堂

※本プランは当サイトが運営するプランではありません。実際のお出かけの際には各訪問先にお問い合わせの上お出かけください。

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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
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