未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
275

座敷わらしの「亀麿」がもたらす一期一会 大人たちが童心にかえる宿「緑風荘」を訪ねる

文= 白石果林
写真= 白石果林
未知の細道 No.275 |25 February 2025
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#9ラップ音?で目覚める

部屋に戻り、枕元におもちゃやお菓子を並べ、目覚ましを翌朝の7時にかける。念のためレコーダーも回してから眠った。

翌朝、おもちゃやお菓子が散乱していたのは、私の寝相による可能性が高い

パンッ チッ トントントントン パンパンッ

なにかの音で目が覚めた。外から? エアコンから? 目を閉じたまま、耳をすませて音の出所を探す。エアコンの音にしてはバリエーションが豊かだ。でもまあ、すぐ止むだろう。眠いから、もう少し寝かせてくれ……。

その音は5分ほど不規則に鳴り続けたあと、ピタッとやんだ。

私は朝が苦手で、目覚ましよりも早く起きることはほぼないのだけれど、時計を見るとまだ6時30分だった。目が覚めてしまったので布団から起き上がると、夫も起きてきた。「すごい音だったね」と言うと、夫はきょとんとして「なにが?」と言う。

「え、いまずっと鳴ってた音、聞こえなかったの?」

「まったく聞こえなかった」

信じられない。夫は敏感で、音や揺れなどの少しの刺激で目を覚ますのに。

「レコーダーを確認してみれば?」

「確かに!」とふたりで確認するが、なぜかなにも入っていなかった。

雪や寒さで、建物が鳴いていたのかもしれないし、隣の人が激しめの運動をしていたのかもしれない。聞こえたことは確かだが、音の正体はわからない。

緑風荘で過ごしていると、聞こえてくる音、光や影の動きに敏感になって、五感がとぎすまされていくようだ。

部屋のカーテンを開けると、絶景だった

未知の細道のに出かけよう!

こんな旅プランはいかが?

大人たちが童心にかえる宿「緑風荘」を訪ねる

最寄りのICから【E4A】八戸自動車道「浄法寺IC」を下車
1日目
緑風荘にチェックインしたら、槐の間へ。亀麿にお供えをするもよし、宿泊客と亀麿の話題で盛り上がるもよし。夜はあたたかい露天風呂でリフレッシュ。
緑風荘
2日目
午前中に亀麿神社へ。金田一温泉の宿泊客は、緑風荘の受付でご朱印を買うこともできる(要前日予約)。チェックアウト後は、近隣のカフェでランチをして、周辺を散策しよう。「三浦哲郎ゆかりの家」や「分教場講堂」がある。
三浦哲郎ゆかりの家
分教場講堂

※本プランは当サイトが運営するプランではありません。実際のお出かけの際には各訪問先にお問い合わせの上お出かけください。

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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
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