チェックアウトして、金田一温泉郷の街を歩く。民宿や旅館、日帰り温泉が楽しめる施設が数件あるほか、住宅も多かった。夏にはホタルが見られるスポットがあり、この日は雪で登れなかったが、展望台もある。
道中、このあたりに住んでいるという女性に出会った。「私が撮ってもオーブは写らないのよ。子どもが撮ると写るんだけど。写る人と写らない人がいるみたい」と話す女性に、「実は昨日、オーブらしきものが写ったんです」と切り出してみた。女性が「見せて~!」と言ってくれたので、動画を見てもらう。
「……これ、そうですよ、オーブですよ。きっといいことがありますよ!」
そう言って拍手をしてくれる女性に、思わず笑顔になってしまった。
帰りの新幹線でレコーダーの録音を確かめたが、確信めいたものはなにもなかった。しかし帰宅してからも、亀麿は私を笑顔にしてくれた。おもちゃや絵本のアイデアをくれた友人たちから、「亀麿のおかげ?」とメッセージが届くのだ。
「いつもはチップをくれないお客さんが、2ユーロ(300円)くれた!」
「ゴールキーパーの娘が、試合で大活躍して『神がかってる』と絶賛された!」
私もこれから、喜ばしいことが起きたときは亀麿のことを思い出すに違いない。それは「座敷童子は絶対にいる!」という信仰とはまた別で、私に協力してくれた大人たちが、揃いも揃って亀麿に目を輝かせる姿が、忘れがたいものになったということなのである。