未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
275

座敷わらしの「亀麿」がもたらす一期一会 大人たちが童心にかえる宿「緑風荘」を訪ねる

文= 白石果林
写真= 白石果林
未知の細道 No.275 |25 February 2025
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#6ドキドキ! 夜の亀麿神社参拝

そのあとも彼女たちは、『アンパンマンのマーチ』を流したり絵本を音読したりして、亀麿を呼び出し続けた。合間にカメラを確認しては、「映らんなぁ」とぼやいてる。

誰かが「今から亀麿神社いかん?」と言い出した。「お姉さんも行きましょう!」と誘ってくれたので、ついていくことに。亀麿神社は、槐の間のすぐ隣にある。窓から亀麿神社をのぞくと、雪をかぶった鳥居がライトアップされていて、きれいだった。

一旦コートを取りに戻ってから、神社に近い出口に集合する。みんなで外に出て「寒いね~」と歩き始めると、その瞬間、あたりが真っ暗になった。

この直後、すべての電気が消えて真っ暗になった

「うわぁ!びっくりした~」
「きっと22時になったんやわ」

タイマー式なのかぁと時計を見ると、まだ21時52分。「ずいぶん中途半端な時間に消えますね…」「不思議やなぁ…」などと話しながら、私たちは亀麿神社で手を合わせた。

真っ暗になったおかげで、夜空に浮かぶ無数の星がくっきりと浮かび上がった。Aさんたちが「きれいやなあ」と言いながら、星空の写真を撮っている。私は、撮影する彼女たちの姿を動画におさめた。

撮り終わった動画を見返していると、気になるものが写っていた。ホタルのような小さな光の玉が、彼女たちの腰あたりでウヨウヨと素早く動いているのだ。虫が映りこんだか? と思ったが、この寒さのなか虫がいるはずないか……と思い直す。念の為気温を確認すると、マイナス9度だった。

幼いときに座敷童子を見たことがある、と話していた友人にその動画を送ると、「これは……」と返信がきた。待てど暮らせど、その先は送られてこなかった。

うねうねとした動きで右方向に消えていった光の玉

未知の細道のに出かけよう!

こんな旅プランはいかが?

大人たちが童心にかえる宿「緑風荘」を訪ねる

最寄りのICから【E4A】八戸自動車道「浄法寺IC」を下車
1日目
緑風荘にチェックインしたら、槐の間へ。亀麿にお供えをするもよし、宿泊客と亀麿の話題で盛り上がるもよし。夜はあたたかい露天風呂でリフレッシュ。
緑風荘
2日目
午前中に亀麿神社へ。金田一温泉の宿泊客は、緑風荘の受付でご朱印を買うこともできる(要前日予約)。チェックアウト後は、近隣のカフェでランチをして、周辺を散策しよう。「三浦哲郎ゆかりの家」や「分教場講堂」がある。
三浦哲郎ゆかりの家
分教場講堂

※本プランは当サイトが運営するプランではありません。実際のお出かけの際には各訪問先にお問い合わせの上お出かけください。

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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。