未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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座敷わらしの「亀麿」がもたらす一期一会 大人たちが童心にかえる宿「緑風荘」を訪ねる

文= 白石果林
写真= 白石果林
未知の細道 No.275 |25 February 2025
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#4亀麿を呼び出す3人組に遭遇

「緑風荘」がある岩手県二戸市は、青森との県境に位置する。

盛岡駅からIGRいわて銀河鉄道に乗り換え、電車に揺られること1時間半。宿の最寄りである金田一温泉駅についたのは、20時半過ぎだった。

約400年前に発見された金田一温泉。このあたりは江戸時代、南部藩の湯治場だったそうだ。ちなみに地名である「金田一」の由来は、南部氏の祖先の名や、「山の方にある川の所」を意味するアイヌ語など、諸説ある。

駅を出ると雪が降り積もり、街は見渡す限り真っ白だった。人も車もまったくおらず、不安になるほどシンとしている。私はタクシーを呼び、目的地に向かった。

まっくらな道を走ること10分。ポツンと青く浮かび上がる光が見えた。緑風荘だ。

宿泊の手続きを済ませ、部屋に案内してもらう。木材を基調とした館内は明るく、天井が高くて開放感もある。想像していたおどろおどろしさは、まったくなかった。

部屋に向かう途中、亀麿がよく出るとされる「槐(えんじゅ)の間」があった。ここは宿泊用ではなく24時間出入り自由の場所らしいが、私が通りかかったときは誰もいなかった。

部屋でしばし休憩してから、21時過ぎに槐の間へ向かう。廊下を歩いていると、何やら賑やかな声が聞こえてきた。

チラリとのぞいてみたら、ギラギラに装飾された小さなとんがり帽子を頭につけた女性3人組が、紙風船で遊んでいる。そしてその様子を、各々のスマホやiPadで撮影していた。

「こんばんは~」と挨拶をして、「もしかして、亀麿を呼び出してるんですか?」と聞いてみた。するとこんな返事が。

「そうです~!よかったら一緒にどうですか?」

「懐かしいでしょ?」と見せてくれたおもちゃは駄菓子屋で買ったそう

未知の細道のに出かけよう!

こんな旅プランはいかが?

大人たちが童心にかえる宿「緑風荘」を訪ねる

最寄りのICから【E4A】八戸自動車道「浄法寺IC」を下車
1日目
緑風荘にチェックインしたら、槐の間へ。亀麿にお供えをするもよし、宿泊客と亀麿の話題で盛り上がるもよし。夜はあたたかい露天風呂でリフレッシュ。
緑風荘
2日目
午前中に亀麿神社へ。金田一温泉の宿泊客は、緑風荘の受付でご朱印を買うこともできる(要前日予約)。チェックアウト後は、近隣のカフェでランチをして、周辺を散策しよう。「三浦哲郎ゆかりの家」や「分教場講堂」がある。
三浦哲郎ゆかりの家
分教場講堂

※本プランは当サイトが運営するプランではありません。実際のお出かけの際には各訪問先にお問い合わせの上お出かけください。

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「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
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様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
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