未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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地域を超えて水を繋ぐ 「流域外分水」の巨大インフラ施設に潜入!

文= 松本美枝子
写真= 松本美枝子
未知の細道 No.273 |27 January 2025
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#5水質改善の前線、桜機場

  • 桜川
  • 桜機場・放流口

さて同じ水戸市内の河和田町、桜川沿いにある桜機場へと移動する。
桜機場では、令和4年度より、那珂川から取水した水を、地下に設置したポンプで汲み上げ、桜川に放流する桜川試験通水が夏に行われている。さらにその水は、茨城県と水戸市が連携して行っている「千波湖導水事業」により、千波湖まで導水される。

まちなかにある桜川と千波湖は、水戸の人々に親しまれてきた水辺だ。だが以前から夏場のアオコの発生による水質の低下と景観の悪化が懸念されていた。桜川試験通水により、那珂川の水を桜川に流し、千波湖に導水されることで、夏場のアオコの発生が減り、水質は見違えるほどに、良くなってきているという。

回廊

すべての施設整備が完了している桜機場も、見学することができる。地下数十メートルの空間を俯瞰できる回廊や、エレベーターで地下40メートルほど降って見るポンプ室など圧巻の施設だ。何より、水戸の住宅街の地下深くに、このような巨大設備があることが、ワクワクするのだった。

巨大な管路室

未知の細道のに出かけよう!

こんな旅プランはいかが?

水戸の水辺と那珂機場を見学する旅

最寄りのICから【E6】常磐自動車道「水戸北スマートIC」を下車
1日目
まずは那珂機場へ。ポンプ室やモーター室、沈砂池など、巨大インフラ施設を見学しよう。季節ごとに公開日やイベントがある他、申し込みすれば見学も可能だ。ウェブサイトをチェックしよう。
そのあとに那珂川を散策。堤防を歩きながら美しい清流を眺めてみよう。周辺には美味しい蕎麦屋などもある! 夜は水戸駅周辺に宿泊。
霞ヶ浦導水工事事務所
2日目
水戸駅南口から桜川沿いに歩いて千波湖へ。白鳥や黒鳥が住む湖としても知られている。水鳥たちを眺めながらの千波湖一周(約3キロ)は水戸の人たちに愛されている散歩コースだ。さらに千波湖周辺にはすてきなカフェや、美術館なども多い。ぜひ訪ねてみて。

※本プランは当サイトが運営するプランではありません。実際のお出かけの際には各訪問先にお問い合わせの上お出かけください。

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。