茨城県北茨城市
2023年、北茨城市は前年に比べて、突然、外国人観光客が50倍になったという。その伸び率は全国でも3位というから驚きだ。
その秘密はどうやら、クリストファー・ウッドさんと麻未さん夫妻が開いた一棟貸切の宿にあるらしい。海まで歩いて3分というこの小さな宿泊施設に、今では世界中の人々が泊まりに来るようになった。イギリス、日本、バンコクと人生の旅を続けてこのまちへとたどり着いたクリスさん一家が開く宿の物語。
最寄りのICから【E6】常磐自動車道「高萩IC」を下車
最寄りのICから【E6】常磐自動車道「高萩IC」を下車
ある宿を目指して国道6号を北に向かって車を走らせる。たどり着いたのは北茨城市中郷の小野矢指(おのやさし)という地区だ。民家が点々とある、よくありそうな田舎の風景。周辺には特に目立った観光名所もない。本当に、ここにいま話題の宿があるのかな? と思うのがふつうだろう。
東に向かって小道を入ると、すぐに小さな一軒家が3軒並ぶ敷地と、そしてその向こうにきらりと光る青い海が見える。これが今日の目的地「エルム・オン・ザ・ビーチ」という宿と、それを営む一家を包み込んでいる南中郷の美しい海だ。
エルム・オン・ザ・ビーチを訪ねると、オーナーのクリストファー・ウッドことクリスさん、妻の麻未さん、そして長男で中学3年生の蕾羅(らいら)くんと、小学一年生の愛梨杏(ありあ)ちゃんが出迎えてくれた。