未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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まちの外国人観光客数が50倍に!? 日英ファミリーが立ち上げた海辺の宿

文= 松本美枝子
写真= 松本美枝子
未知の細道 No.263 |26 August 2024
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#7エルム・オン・ザ・ビーチのこれから

さて、毎日大忙しのウッド家だが、日々の合間に、家族みんなで海に散歩にでかけることもある。子どもたちは海が大好きで、よく泳ぐという。この日の散歩はゴーストもマックスも、そしてなんと猫のとらちゃんも一緒だった!

それにしてもこの海は、絵に描いたように真っ青で美しい。海をよく見渡せる一本道を、近所のお年寄りたちがゆっくりと散歩している。それからこの海の良さに気づいているサーファーたちだろう、どこか遠いところからきたナンバーの車たちと、時々すれ違う。
ゴミひとつない白い砂浜を歩きながら、いまこの瞬間、中郷の海の素晴らしさを享受しているのは、ほんとうに一握りの人たちだけなんだな、とふと思った。贅沢な空間である。

だけどやっぱり、これは、ちょっともったいない! 果てしなく打ち寄せる青い波をみていると、他の人たちにもぜひこの海を知ってほしい、と思えてくるのだった。

この波のように、クリスさんのやりたいこともどんどん広がっていく。「今、改修中の建物には、もっとたくさんの人が泊まれるようにしたいし、庭にはプールとドッグランを作りたいんだよね、あ、それにホームページも作らなきゃ」とクリスさん。そして既に船舶免許も取ったので、まちのひとたちと相談して船による観光にもいずれ取り組みたいと考えているそうだ。

これからは夏だけではなく、一年を通してサーファーや、寒い冬は釣り客が増えることだろう。と私は思った。なぜなら冬の北茨城は魚がとびきり美味しいことでも有名なのだ。

今日はこのあと大学生5人の宿泊客がくるのだ! というクリスさん。 「毎日本当に忙しいよね。私も久々にサーフィンでもしたいよ! たまには私も海で楽しまなくちゃね」とクリスさんはいった。
クリスさんが落ち着いてサーフィンできるようになるには、どうやらもう少し時間がかかりそうである。

未知の細道のに出かけよう!

こんな旅プランはいかが?

北茨城で海を満喫する二日間

最寄りのICから【E6】常磐自動車道「高萩IC」を下車
1日目
エルム・オン・ザ・ビーチに宿泊。目の前の海を満喫しよう。夏なら海水浴、それ以外のシーズンは釣り、サーフィン、海沿いをサイクリングなどアクテビティはもりだくさん。ただ静かに夕方の海を眺めたり、ゆっくり散歩するのもまたよし。
夜はキッチンで地元の食材を料理したり、庭でバーベキューもできる!
2日目
朝食はエルム・オン・ザ・ビーチの名物・新鮮なタマゴを料理してみよう。とてもおいしい。また事前予約すれば、クリスさんお手製の「イングリッシュブレックファースト」を食べることもできる。腹ごしらえしたら、再び海へ。
市内には漁港の町、北茨城ならではの海鮮がおいしい食堂やレストランもたくさんある。昼食にぜひ探してみて。

※本プランは当サイトが運営するプランではありません。実際のお出かけの際には各訪問先にお問い合わせの上お出かけください。

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。