北海道北見市
2000年2月から開催されている「北見厳寒の焼き肉まつり」。
その名の通り、真冬の夜にアウトドアで焼き肉をする酔狂な祭りだ。
2月9日、肉の日に開催された祭りに参戦した。
最寄りのICから【E5】道央自動車道「遠軽IC」を下車
最寄りのICから【E5】道央自動車道「遠軽IC」を下車
マイナス気温の雪景色のなかで食べるとしたら、なにがいいだろう? 想像してみる。お汁粉? 豚汁? 具だくさんの鍋もおいしそうだ。白い息をふーふーと吹きかけながら、アツアツの汁物を少しずつ口にして、身体を温める……。
このベタな発想を、氷と雪でビューッと吹き飛ばしてくれるお祭りがある。冬にはマイナス20度を下回る北海道北見市で、2000年から開かれている「北見厳寒の焼き肉まつり」。北海道屈指の寒さを誇る地に集った人たちが、「真冬の夜のアウトドア焼き肉」に挑む……いや、楽しむ祭りだ。
1年ほど前、ネットを眺めていて偶然この祭りのことを知った時、僕の脳裏に浮かんだ言葉は「クレイジー」(いい意味で)。酔狂な祭りは、大好物だ。『未知の細道』でもこれまで、秋田の大舘で燃え盛る炭俵を振り回したり、茨城県の笠間の愛宕神社で「バカヤロー!」と叫んだりしてきた。焼き肉が大好きな僕は、思った。参戦するしかない。
2024年2月9日(肉の日)に開催される「第25回 北見厳寒の焼き肉まつり」のチケットの発売日は、昨年11月29日、そう、「いい肉の日」。僕は、発売時刻になると同時にインターネット販売のチケットを1枚ゲットした。発売日を心待ちにして、前のめりにチケットを買うなんて、サッカーのワールドカップ以来だ。
1万円のチケット1枚で4人入場できて、牛サガリ(ハラミ)と豚肩ロース、豚ホルモンが各400グラムと玉ねぎ、餅、ドリンク飲み放題付き(持ち帰り用の米もつく)。ひとりで肉1.2キロを完食する自信がなかった僕は、友人知人に声をかけた。すると、群馬、京都、福岡から手が挙がった。ドクター中松のジャンピングシューズを履いているようなフットワークの軽い仲間が揃った。