ほかにどんな人がいるんだろう? お腹が落ち着いた頃、周囲を見渡したら、「んん?」と二度見したくなるようなグループがいた。例えば、七輪の網のうえにもう一段、網を載せていた三人。話を聞くと、肉が凍るため、上の網で一度解凍してから、下の網で焼いているという。これはただ者じゃない! 何回目ですか? と聞いたら、千葉から来たという男女は「5回目」、名古屋から来たという男性は「7回目」。本気のリピーターたちは、焼き肉をより楽しむために毎年「カイゼン」を重ねていた。
「今は、100円均一の店とかでいろんなグッズが買えるじゃないですか。それで、これ使える、あれ使えるって持ってきてるんです」
三脚のライトは、肉の焼き加減を見るため。確かに、手元が暗くて、焼けているのかどうかわかりづらかった! ほかにも、キャンプで使う暖を取るためのグッズや、熱燗を飲むための薬缶と小型コンロを持参していて、素人の僕らと比べると満喫レベルが100倍ぐらい高そうだった。「今年は暖かいですよ。去年はもっと寒くてね。ビールも凍りました」と笑う三人を見て、「この人たちは来年も来るんだろうな」と思う。
さらに会場を歩き回っていたら、4人の若い女の子がソフトクリームを食べていて、目を疑った。彼女たちは北見の大学で「情報系」を学ぶ学生で、それぞれ長崎、茨城、長野、静岡から出てきた。このお祭りは、初めてだという。
「1年の頃から気になっていたんですけど、テストと重なって来れなかったんです。3年はテストが早く終わるので、ようやく来れました」
なぜ、この寒さのなかでソフトクリームを?
「ずっとここで、アイスを食べたかったんです。この寒さなら溶けずに食べられるかなって!」
ひとりの女の子が爽やかな笑顔で語ってくれたが、まったく共感できなかった(笑)。北見に3年住むと、寒さに強くなるのだろうか? 大学3年生ということは、来年もまだ北見にいる。また来たいですか? と尋ねると、全員が大きくうなずいた。
「来たいです!」
別の場所では、男子学生のグループが若者らしい雰囲気で盛り上がっていた。タンクトップのふたりの写真を撮らせてもらう。「寒くないんですよね!」というと、「ぜんぜん寒くありません!」と叫びながら震えていた。