未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
245

だれかの、じぶんの、居場所をつくる 「バー」という表現をめぐる

文= 松本美枝子
写真= 松本美枝子
未知の細道 No.245 |10 November 2023
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#8居場所をつくる

さて「リズム アンド ベタープレス」の宍戸さんと、「竹の湯別館」の橘さん、それぞれに話を聞いた後、これから先のことを質問した。するとふたりとも、なんだか似たような答えが返ってきた。

宍戸さんは、「なにも求めない。現状維持でやれることをやるだけ」、そして橘さんも「まだ先のことは考えられない、毎日、目の前のことを精一杯やりたい」という。

決して街や他者に合わせたビジネスではなく、本当に自分が求めているものを具現化するような居場所作りが、ふたつの店にはあった。それぞれの静かな熱意は、ふたつの店に共通する大きな窓をするりと超えて通りに漂い、それに気づいた人たちが思わずドアを開けてしまう……、そんな気がした。そうして一度に中に入った人たちは、自然と再び訪ねてしまう居心地の良さがあった。

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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。