さて「リズム アンド ベタープレス」の宍戸さんと、「竹の湯別館」の橘さん、それぞれに話を聞いた後、これから先のことを質問した。するとふたりとも、なんだか似たような答えが返ってきた。
宍戸さんは、「なにも求めない。現状維持でやれることをやるだけ」、そして橘さんも「まだ先のことは考えられない、毎日、目の前のことを精一杯やりたい」という。
決して街や他者に合わせたビジネスではなく、本当に自分が求めているものを具現化するような居場所作りが、ふたつの店にはあった。それぞれの静かな熱意は、ふたつの店に共通する大きな窓をするりと超えて通りに漂い、それに気づいた人たちが思わずドアを開けてしまう……、そんな気がした。そうして一度に中に入った人たちは、自然と再び訪ねてしまう居心地の良さがあった。