糸魚川市街から姫川沿いに車を走らせた私は、ふとあることに気づいた。カーナビのマップのどこにも「糸魚川」と名付られた川が見当たらない。一体どういうことなのだろうと思い、コンビニで停車した際にググってみると、市のホームページに「糸魚川市に『糸魚川』という川はありません」と明記されていた。どうやら名前の由来については諸説あるようだ。
そのうちのひとつ、「イトヨ(糸魚)という魚が地域の河川に数多く棲息していた」という言い伝えをもとに旧糸魚川市は1955年(昭和30年)、その魚をあしらった市章をデザインした。しかし、現在では異なる説が有力視されているものの、それに対してもいくつかの疑問点が指摘されており、真相は藪の中だ。「ちなみに、イトヨは昭和40年代前後から河川の汚染等で市内では全くと言っていいほど見られなくなりました」という一文を読んだところで、私はビミョーな気持ちになり、スマートフォンの画面を消した。