神奈川県横須賀市
神奈川県横須賀市のガソリンスタンドにあるのは、自動販売機と椅子が置いてある、よくある待合室ではない。置かれているのは、地元野菜が並ぶ木箱や、ドライフルーツなどの入ったガラス瓶。地域の人たちが集まる「量り売りのお店」が生まれるまでを聞きに、横須賀市へ。
最寄りのICから【E16】横浜横須賀道路「横須賀IC」を下車
最寄りのICから【E16】横浜横須賀道路「横須賀IC」をを下車
世界的に見ても、日本は「過剰包装」だと言われる。野菜は基本的にプラスチックの容器や袋に入っているし、お菓子はひとつずつ個包装。もちろん衛生的な問題や、配りやすさなど機能的な良さもわかる。
ただ、皮は食べない玉ねぎやアボカドが1つずつ包装されているのを見た時は、思わず「これ必要?」と声に出してしまったこともある。それ以外の売り方がされていないので、まあ仕方なく買うしかない、ということを繰り返すと、家から出るプラスチックゴミはどんどん増えていく。すぐにゴミ袋がいっぱいになっても、私のなかでは「ああ、またいっぱいになった」と当たり前の光景になっていた。
ある時、神奈川県横須賀市に「量り売り専門店」があることを知った。
「マイ容器をご持参ください! タッパーや袋に、直接商品をお持ち帰りいただきます」
そんなことしてもいいんだ! と思ったし、SNSなどを見ていると、どうやら「マイ容器でお買い物」は体験としても、おもしろいものらしい。地域の人たちはタッパーや瓶を持って買い物に来たり、地元の中学生たちが授業で見に来たりするとのこと。しかも、お店があるのは……ガソリンスタンドの待合室?
どうしてガソリンスタンドのなかに、エコなお店ができたのか。私は家にあったタッパーや袋を持って、横須賀市へ向かった。