未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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神奈川県横須賀市

神奈川県横須賀市のガソリンスタンドにあるのは、自動販売機と椅子が置いてある、よくある待合室ではない。置かれているのは、地元野菜が並ぶ木箱や、ドライフルーツなどの入ったガラス瓶。地域の人たちが集まる「量り売りのお店」が生まれるまでを聞きに、横須賀市へ。

文= ウィルソン麻菜
写真= ウィルソン麻菜
未知の細道 No.227 |10 February 2023
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神奈川県横須賀市

最寄りのICから【E16】横浜横須賀道路「横須賀IC」を下車

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#1今のスーパーにある、少し過剰な当たり前

世界的に見ても、日本は「過剰包装」だと言われる。野菜は基本的にプラスチックの容器や袋に入っているし、お菓子はひとつずつ個包装。もちろん衛生的な問題や、配りやすさなど機能的な良さもわかる。

ただ、皮は食べない玉ねぎやアボカドが1つずつ包装されているのを見た時は、思わず「これ必要?」と声に出してしまったこともある。それ以外の売り方がされていないので、まあ仕方なく買うしかない、ということを繰り返すと、家から出るプラスチックゴミはどんどん増えていく。すぐにゴミ袋がいっぱいになっても、私のなかでは「ああ、またいっぱいになった」と当たり前の光景になっていた。

ある時、神奈川県横須賀市に「量り売り専門店」があることを知った。

「マイ容器をご持参ください! タッパーや袋に、直接商品をお持ち帰りいただきます」

そんなことしてもいいんだ! と思ったし、SNSなどを見ていると、どうやら「マイ容器でお買い物」は体験としても、おもしろいものらしい。地域の人たちはタッパーや瓶を持って買い物に来たり、地元の中学生たちが授業で見に来たりするとのこと。しかも、お店があるのは……ガソリンスタンドの待合室?

どうしてガソリンスタンドのなかに、エコなお店ができたのか。私は家にあったタッパーや袋を持って、横須賀市へ向かった。

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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。