未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
225

富山県射水市

本場のスパイスカレーが食べたくなり、富山県射水市へ。そこは立山連峰を望む、異国の地だった。

文= Numa
写真= Numa
未知の細道 No.225 |16 January 2023
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富山県射水市

最寄りのICから【E8】北陸自動車道「富山西IC」を下車

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#1イミズスタンとは?

田園地帯の中でぽつんと営業する在日パキスタン人の中古自動車屋さん。

北陸地方に日本海沿いを走る国道8号線という一般道がある。新潟県新潟市から京都府京都市に至る、古代から近世にかけて街道として栄えた北陸道と重なる道だ。

なかでも能登半島の付け根付近にあたる富山県西部あたりは「富山高岡バイパス」と名づけられている。立山連峰が間近に迫り、北陸新幹線の高架橋が横切る平野に外国のフリーウェイのように広々とした幹線道路が敷かれ、多数の大型トラックがひっきりなしに往来する。中でも目につくのは自動車を満載したカーキャリアの姿だ。

富山市と高岡市に挟まれた射水(いみず)市に入ると、水田と住宅地が入り混じる都市郊外らしい風景が広がる。バイパス沿いは様々な産業の拠点が集まっている。それらに挟まれて、簡素なプレハブ小屋の前に中古車を並べる小さな業者が点在する。乗用車、キャンピングカー、フォークリフトや油圧ショベル、さらには選挙カーから消防車両まで、ありとあらゆる種類の車が取り揃い、店舗の看板には「インダス」「ハシミ」「バリアール」「アリババ」など異国情緒たっぷりの名前が並んでいて、キリル文字で書かれたものも数多くある。

私がやってきたのは「イミズスタン」と呼ばれる、在日パキスタン人を中心としたイスラム教のコミュニティ。射水市の「イミズ」と、国や都地を意味する「スタン」というペルシャ語をかけ合わせた架空の地名だ。ちなみに埼玉県八潮市にも在日パキスタン人コミュニティがあり、そちらは「ヤシオスタン」と呼ばれている。

国道8号線沿いにはかなりの数の中古車販売業を営む店舗が並ぶ。
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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。