富山県射水市
本場のスパイスカレーが食べたくなり、富山県射水市へ。そこは立山連峰を望む、異国の地だった。
最寄りのICから【E8】北陸自動車道「富山西IC」を下車
最寄りのICから【E8】北陸自動車道「富山西IC」をを下車
北陸地方に日本海沿いを走る国道8号線という一般道がある。新潟県新潟市から京都府京都市に至る、古代から近世にかけて街道として栄えた北陸道と重なる道だ。
なかでも能登半島の付け根付近にあたる富山県西部あたりは「富山高岡バイパス」と名づけられている。立山連峰が間近に迫り、北陸新幹線の高架橋が横切る平野に外国のフリーウェイのように広々とした幹線道路が敷かれ、多数の大型トラックがひっきりなしに往来する。中でも目につくのは自動車を満載したカーキャリアの姿だ。
富山市と高岡市に挟まれた射水(いみず)市に入ると、水田と住宅地が入り混じる都市郊外らしい風景が広がる。バイパス沿いは様々な産業の拠点が集まっている。それらに挟まれて、簡素なプレハブ小屋の前に中古車を並べる小さな業者が点在する。乗用車、キャンピングカー、フォークリフトや油圧ショベル、さらには選挙カーから消防車両まで、ありとあらゆる種類の車が取り揃い、店舗の看板には「インダス」「ハシミ」「バリアール」「アリババ」など異国情緒たっぷりの名前が並んでいて、キリル文字で書かれたものも数多くある。
私がやってきたのは「イミズスタン」と呼ばれる、在日パキスタン人を中心としたイスラム教のコミュニティ。射水市の「イミズ」と、国や都地を意味する「スタン」というペルシャ語をかけ合わせた架空の地名だ。ちなみに埼玉県八潮市にも在日パキスタン人コミュニティがあり、そちらは「ヤシオスタン」と呼ばれている。