未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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富山にあるパキスタン 「イミズスタン」で出会ったもの

文= Numa
写真= Numa
未知の細道 No.225 |16 January 2023
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#6ムスリム・コミュニティの現在は?

思いがけず富山に延泊することになった翌日、私は射水市にある「富山モスク」の代表を務めるカーン・ナディームさんを訪ねることにした。カーンさんも国道8号線で中古車販売業を営む在日歴の長いパキスタン人。自動車輸出業も手掛けているが、地元にも多数の顧客を持ち、現在は国内で自動車販売を手掛けている。彼によれば、射水市周辺で500人近くのパキスタン人が、半径10キロメートル以内の地域に肩を寄せ合って暮らしているそうだ。彼らの生活圏には仕事があり、故郷の味を提供するレストランが軒を連ね、ハラールフードを扱うコンビニがあり、そして祈りの場もあるという。このエリアに移住した当初は地域社会との軋轢もあったが、地域の自治会に入会したり、彼らの子どもたちを地元の公立校に通わせるなどして徐々に日本人社会に溶け込んでいった。カーンさんは言った。

「すべての人間は兄弟。それがアッラーの教えです」

富山モスクの代表であり「有限会社カーントレーディング」代表取締役のカーン・ナディームさん。5人いる子どもたち全員が日本で教育を受けている。
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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。