イベントの進化と合わせるように、来場者も増加。日本が国を挙げてインバウンドに力を入れ始めた近年は外国人も一気に増えたという。そのなかでも、台湾では熱烈に支持された。
然別湖コタンの設営を手伝ってもらおうと、毎年11月、ホームページにボランティア募集の告知を出すのだが、いつの頃からか台湾から続々と応募が来るようになった。多い時には、台湾人だけで60人から申し込みがあったそうだ。そうしてボランティアに来た台湾人の女性ふたりが、今は然別湖ネイチャーセンターの社員として働いている。
然別湖コタンの人気はうなぎのぼりで、2019年には1日最大1000人超、約1カ月半の開催期間中に4万8000人が訪れた。
「バスが10台ぐらい停まっていて、駐車場も埋まって、大変な混雑でした。当時は氷上露天風呂の人数制限もなかったから、一度に10人ぐらい湯船に入ってたんじゃないかな(笑)」
人口5000人程度の鹿追町に、1カ月半で4万8000人が訪れるのは、とてつもないインパクトだ。この取り組みが評価されて、40年目の2021年、公益財団法人サントリー文化財団が地域文化の発展に貢献した個人・団体に贈る第43回「サントリー地域文化賞」を受賞している。
コロナ禍もあり、昨年の来場者は約1万人にとどまった。今年からは「補助金に頼らず、イベントとして独立しよう」という考えから、それまで無料だった入場料を500円にしたが、今年の来場者は昨年を上回るペースだという。ステイホームに飽きた人たちはみな、未知の刺激を求めている。コロナ禍が収まれば、また世界中から観光客が押し寄せるだろう。