須藤さんには地方公務員アワード受賞に加えて、もう一つ「全国区」的な称号がある。
それは「新日本紙芝居演芸協会」の会長である。
これは一体なんなのかというと、もちろん須藤さんと深谷さんが立ち上げた団体である。須藤さんの紙芝居による観光案内やプレゼンテーションを見た、他市町村や他県の公務員たちが、じょじょにこの面白さと効果に気づくようになった。コンピューターのプレゼンにくらべて、紙芝居なら大掛かりな機材が不要で、どこでもすぐにできる!と須藤さんは胸を張る。
各地で公務員たちが各自の事業や、地域活動などに紙芝居によるプレゼンテーションを活かすようになっていき、2015年には団体が発足。フェイスブック上にネットワークもあり、今や須藤さんや深谷さんが実際に会ったことがない人たちも、たくさん参加していると言うから驚きだ。
紙芝居でのプレゼンテーションの技を競う「世界大会」も4年に一度行われる。本家・須藤さんの真似ではなく、参加者それぞれに「流派」、つまり個性があり、技を研鑽しているのだという。
かくいう本家・須藤さんは、常に何冊もの紙芝居を持ち歩いている。いつでもどこでも、誰かに、まちづくりのプレゼンテーションができるようにだ。