未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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スーパー公務員が行く! おもてなしに秘められた、まちづくりへの情熱

文= 松本美枝子
写真= 松本美枝子
未知の細道 No.204 |25 February 2022
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#6二つの全国区

休憩中に、何冊もの紙芝居を見せてくれた須藤さん

須藤さんには地方公務員アワード受賞に加えて、もう一つ「全国区」的な称号がある。

それは「新日本紙芝居演芸協会」の会長である。

これは一体なんなのかというと、もちろん須藤さんと深谷さんが立ち上げた団体である。須藤さんの紙芝居による観光案内やプレゼンテーションを見た、他市町村や他県の公務員たちが、じょじょにこの面白さと効果に気づくようになった。コンピューターのプレゼンにくらべて、紙芝居なら大掛かりな機材が不要で、どこでもすぐにできる!と須藤さんは胸を張る。

公式キャンプ地(?!)の栃木市で行われた、北関東の会員向けの新日本紙芝居演芸協会の合宿のようす。

各地で公務員たちが各自の事業や、地域活動などに紙芝居によるプレゼンテーションを活かすようになっていき、2015年には団体が発足。フェイスブック上にネットワークもあり、今や須藤さんや深谷さんが実際に会ったことがない人たちも、たくさん参加していると言うから驚きだ。

紙芝居でのプレゼンテーションの技を競う「世界大会」も4年に一度行われる。本家・須藤さんの真似ではなく、参加者それぞれに「流派」、つまり個性があり、技を研鑽しているのだという。

かくいう本家・須藤さんは、常に何冊もの紙芝居を持ち歩いている。いつでもどこでも、誰かに、まちづくりのプレゼンテーションができるようにだ。

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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
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