そろそろ第三バッターである店長の鈴木雅代さんの話をしたいのだが、そのためには生活綴方の特徴のひとつ、店番システムについて書かねばならない。
この書店の店番/レジは、なんと有志(有償)の人々によってまわっているのである。LINEに登録し、自分がいける日に立候補し、シフトに入るという仕組みである。どうやら世の中には、「書店の店頭に立ってみたい」という人が少なくないようで、開店して数ヶ月経つ頃には、店番有志は40人にものぼった。
この独自のスタイルは最初から考えていたんですか?
「いやいや、最初は石堂さんと中岡さんと持ち回りでやっていたんですが、すぐに回らなくなってきた。すると徐々に自分もお店番をしてみたいという人が現れて。『私も』『あ、私もやりたい』という感じで続々とお客さんが店番に参加しはじめました。とはいえ、誰でもいいわけじゃないから、一度も公募したことはないんです。たまたまの出会いの流れの中で起こったんですよね」(中岡さん)
この店番システムから彗星のごとく現れたのが、鈴木雅代さんである。