標高598メートルの神峰山に向かってもう一踏ん張り、登っていく。神峰山に向かう山道のそこかしこにあるオオシマザクラは、これまでの山道と違って、まだ咲いていない樹木が多い。「植物の多様性ですね」と田上さんが言う。
山歩きに慣れているジオネット日立のみんなと違って、運動不足の私は、最年少にもかかわらず、だいぶへたばり始めていた。そして山の中は日が暮れるのが早い。2時を過ぎて、すこし日が陰ってきた。
木々の間からちらりと大煙突が見える瞬間があった。さっきはかなり大きく見えたのに、今はだいぶ遠くにある。結構歩いてきたんだな……と思った。そして最後のきつい坂を上がると、ようやっと神峰山神社が見えたのであった。朝、参拝してきたあの神社の本物! である。