未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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富士山の麓で祈る町・上吉田 信仰心を支えた御師の家

文= ウィルソン麻菜
写真= ウィルソン麻菜
未知の細道 No.153 |10 January 2020
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#7現代版・御師の家

2016年9月。一志さんの木工ショールーム「fugaku wood works」と、奈津子さんのオーガニックスイーツが楽しめるカフェ「hitsuki guest house & cafe」を併設した複合型ゲストハウスをオープンした。

ふたりが目指しているのは、身近で気軽に入れる、現代版・御師の家。

ここでは、映画上映会やヨガのワークショップ、防災講座などの幅広いイベントをおこなっており、今では地域の交流の場になりつつある。カフェは月一度、コラボカフェとして営業。他の御師の人がお茶に来ることもあるそうだ。

出してもらったお茶のカップまで、富士山

他にも、大鴈丸さんや他の御師の家で「OKaKi」というグループを結成。御師の文化を残していくために「御師まちお話会」などの勉強会を6年続けており、さまざまな講師を呼んで御師の歴史を学びながら、残す術を模索している。

「ここに来るきっかけは何でもいいんです。御師という人たちがいたことを、まず知ってもらわないと残せないから」

富士信仰や御師の歴史を知った上での富士登山は、観光客にとってより特別な体験になるだろう。神聖な気持ちで富士登山をしてもらえれば、ゴミ問題なども減るのではないか、とふたりは言う。

最近では、観光客のなかにも「富士信仰について知りたい」と言ってくれる人が増えてきた、と嬉しそうだった。いつかまた、御師の家に泊まってから富士登山をすることが人気の旅行になるかもしれない。

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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。