未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
116

福島県福島市

全国各地でさまざまな芸術祭が行われているなか、福島の飯坂温泉で新しい、ちょっと変わった芸術祭が行われるという。場所はなんと休業中の旅館。いったいどんなアートプロジェクトなのだろうか?さっそく訪ねてみた。

文= 松本美枝子
写真= 松本美枝子
未知の細道 No.116 |25 JUNE 2018
  • 名人
  • 伝説
  • 挑戦者
  • 穴場
福島県福島市

最寄りのICから【E4】東北自動車道「福島飯坂」を下車

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#1旅館で芸術祭?

 いま全国各地で、さまざまな「〇〇芸術祭」「〇〇アートプロジェクト」などと呼ばれるものが行われている。芸術祭ブームだ。すでに何年も継続して、その土地の名物として、遠くから多くの鑑賞者がやってくる芸術祭もあれば、日本を代表する大都市で行われる大規模な芸術祭もある。まだ始まったばかりの、小さな町での小さな芸術祭もたくさんあるだろう。
 これらは数週間から数カ月程度の期間で行われ、美術の展示と音楽や演劇といったパフォーマンスの上演などと共に、観光や地域おこしを組み合わせた総合的なイベントとして、「地域アート」と呼ばれることもある。
 さてゴールデンウィークが始まる少し前、福島の飯坂温泉街の一角で、新しい芸術祭が行われるという話を聞いた。期間は5月5日から6月3日の週末のみ。場所は現在休業中の「清山」という旅館だという。その名も『清山飯坂温泉芸術祭 SIAF2018』。
 旅館一ヶ所だけで行われる芸術祭というのは、ちょっと珍しいかもしれない。なぜなら、芸術祭はその地域の何ヶ所かを展示会場とすることが多く、1日かけて幾つもの展示会場を回ることは当たり前で、自治体が主催する大規模なものであれば、芸術祭全体を見るのに数日かかることも多い。だからこれはおそらくコンパクトな設計の芸術祭なのだろうな、と思って興味が沸いた。

 せっかくなので、美術館で働く知り合いも誘うことにした。美術館でエデュケーター(教育普及専門の学芸員)として働く森山さんである。
 5月のとある日曜日、私たちは3時間かけて『清山飯坂温泉芸術祭』へと、たどり着いたのであった。「清山」は古いけれど、立派な門構えの大きな旅館で、遠目にもすぐにわかった。その門には、カラフルで大きなパッチワークがはためいていた。


未知の細道 No.116

未知の細道のに出かけよう!

こんな旅プランはいかが?

飯坂温泉&「フェスティバルFUKUSHIMA!2018」を楽しむ旅プラン

予算の目安15000円〜

最寄りのICから【E4】東北自動車道「福島飯坂」を下車
1日目
福島市の街なか広場で行われる、野外音楽フェス「フェスティバルFUKUSHIMA! 2018」(15:00-20:00)を楽しもう。ライブを楽しむもよし、17時頃から始まる「盆踊り」に参加して一緒に踊るもよし!
お腹が空いたら「清山飯坂温泉芸術祭」にも参加していたカレー屋「笑夢」なども出店予定なので、ぜひ探して食べてみよう!
宿泊、食事は飯坂温泉街へどうぞ。
2日目
飯坂温泉街には地元の人も楽しむ9つの共同浴場があるので、日中に巡ってみよう。
夕方からは引き続き「フェスティバルFUKUSHIMA! 2018」の2日目へ!

※本プランは当サイトが運営するプランではありません。実際のお出かけの際には各訪問先にお問い合わせの上お出かけください。

松本美枝子

1974年茨城県生まれ。生と死、日常をテーマに写真と文章による作品を発表。
主な受賞に第15回「写真ひとつぼ展」入選、第6回「新風舎・平間至写真賞大賞」受賞。
主な展覧会に、2006年「クリテリオム68 松本美枝子」(水戸芸術館)、2009年「手で創る 森英恵と若いアーティストたち」(表参道ハナヱ・モリビル)、2010年「ヨコハマフォトフェスティバル」(横浜赤レンガ倉庫)、2013年「影像2013」(世田谷美術館市民ギャラリー)、2014年中房総国際芸術祭「いちはら×アートミックス」(千葉県)、「原点を、永遠に。」(東京都写真美術館)など。
最新刊に鳥取藝住祭2014公式写真集『船と船の間を歩く』(鳥取県)、その他主な書籍に写真詩集『生きる』(共著・谷川俊太郎、ナナロク社)、写真集『生あたたかい言葉で』(新風舎)がある。
パブリックコレクション:清里フォトアートミュージアム
作家ウェブサイト:www.miekomatsumoto.com

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。