未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
270

茨城県大子町

自然豊かな大子町に、知る人ぞ知る中古レコード屋があるという。その名も、古民家レコード『MELLOW』。この町で生まれ育った岡崎直人さんが営むこの店には、80年代シティポップや「和モノ」と呼ばれる昭和歌謡などのレコードを目当てに、全国から客が訪れる。レコードブーム再燃もあり、県外から毎週のように来るというお客さんもいれば、有名アーティストがふらりと顔をだすこともあるという。二度、故郷を離れたものの、50歳を過ぎて、三度この町に戻りレコード店を開いた岡崎さんの話を聞く。

文= 松本美枝子
写真= 松本美枝子
未知の細道 No.270 |10 Dec 2024
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茨城県大子町

最寄りのICから【E6】常磐自動車道「那珂IC」を下車

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#1山里にレコード屋が?

大子町は茨城の北西の端で、福島県と栃木県に接する県境の町だ。清流、久慈川と八溝山がもたらす豊かな自然に育まれた、農業と観光の町である。しかし人口減少が続き、かつては4万人いたという人口も現在は約1万5千人となっており、過疎化が進む。

その町外れの下野宮という地域に、一軒の中古レコード店があるという。インターネット上の噂では、全国からレコードが好きなお客さんがわざわざやってくる店らしい。

晩秋の午後、たどり着いた大子町下野宮。目の前には、そろそろ紅葉が始まりそうな山々がドーンと控えている。通りにあるめぼしい建物は、無人駅と郵便局だけ。

こんな静かな山間の地域に、本当にレコード屋があるのだろうか……。そんなことを考えながら角を曲がると、古民家レコード『MELLOW』の看板が見えた。おお! 本当にあった!

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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。