茨城県大子町
自然豊かな大子町に、知る人ぞ知る中古レコード屋があるという。その名も、古民家レコード『MELLOW』。この町で生まれ育った岡崎直人さんが営むこの店には、80年代シティポップや「和モノ」と呼ばれる昭和歌謡などのレコードを目当てに、全国から客が訪れる。レコードブーム再燃もあり、県外から毎週のように来るというお客さんもいれば、有名アーティストがふらりと顔をだすこともあるという。二度、故郷を離れたものの、50歳を過ぎて、三度この町に戻りレコード店を開いた岡崎さんの話を聞く。
最寄りのICから【E6】常磐自動車道「那珂IC」を下車
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大子町は茨城の北西の端で、福島県と栃木県に接する県境の町だ。清流、久慈川と八溝山がもたらす豊かな自然に育まれた、農業と観光の町である。しかし人口減少が続き、かつては4万人いたという人口も現在は約1万5千人となっており、過疎化が進む。
その町外れの下野宮という地域に、一軒の中古レコード店があるという。インターネット上の噂では、全国からレコードが好きなお客さんがわざわざやってくる店らしい。
晩秋の午後、たどり着いた大子町下野宮。目の前には、そろそろ紅葉が始まりそうな山々がドーンと控えている。通りにあるめぼしい建物は、無人駅と郵便局だけ。
こんな静かな山間の地域に、本当にレコード屋があるのだろうか……。そんなことを考えながら角を曲がると、古民家レコード『MELLOW』の看板が見えた。おお! 本当にあった!