ドアを開けると、ヒップホップだろうか、私にはよくわからないけど、でもなんだかカッコいい! という感じの洋楽が流れていた。小さな店内にはレコードがぎっしり。さらに見回すとCD、カセット、本やおもちゃなども所狭しと並んでいる。店の奥のカウンターにはターンテーブルが置いてあり、その向こう側にキャップをかぶった男性がいた。オーナーの岡崎直人さんだ。
「いまレコードチェックをしていたんですよ」と、ターンテーブルの上でレコードを触りながら岡崎さんはいう。仕入れたレコードの状態が良いか、傷などがないかを調べる作業だ。
ここは岡崎さんの実家で、つくば市で働いていた岡崎さんは2年前にこの町に戻ってきて、この店をオープンした。常時4000枚ほどのレコードがある。しかし店内を見渡すと想像もつかないが、ほんの数年前までは岡崎さんの母が開いていた床屋だったそうだ。
「今、レコードブームなので、音楽もオール・ジャンルで人気があります。今日は常連さんがよく来る月曜日なので、夕方になると、いろいろなお客さんがやってきますよ」と岡崎さん。
常連さん? 平日に? 店を一歩出ると、人の気配が感じられないこの通りからは、岡崎さんの言葉が、にわかには信じられない。