未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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能登島に生まれて育った男の島にかける想いが紡ぐ物語 被災したミナミバンドウイルカを訪ねて

文= きえフェルナンデス
写真= きえフェルナンデス
未知の細道 No.268 |11 November 2024
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#9イルカウォッチングの再開

現在、山水荘では、イルカウォッチングやイルカスイムを再開している。民宿はなんとか営業できる状態まで戻り、2組限定で予約が可能になった。石田さんはこう語る。

「まずは一歩ずつ。一歩ずつ元通りにしていかないと。道のりは遠いですけど、がんばっていきたいです。その次に、未来のこと。能登島が盛りあがる活動をまたやりたいですね」

1時間ほどイルカを堪能したあと、船は、桟橋に戻ってきた。桟橋には次のグループが待機している。

私は船から下りると、来年の夏に子どもと一緒に次はイルカスイムで参加します、と伝えた。

「いつでもお待ちしてますね」

参加者にライフジャケットを渡す石田さん。

石田さんは目尻をくしゃっとさせながら挨拶をすると、他のダイバー達を乗せて、船に乗り込みイルカのもとへと戻っていった。

帰り道、豪雨と予報されていた能登島の空を見上げると、遠くの雲は晴れ青空が近づいていた。

能登島に架かる橋のひとつ能登島大橋は復旧し、今日も観光客を迎え入れている。(写真:金山純子さん)

未知の細道のに出かけよう!

こんな旅プランはいかが?

ミナミバンドウイルカと泳ぐ旅

最寄りのICから【E41】能越自動車道「氷見IC」を下車
1日目
能登島大橋を渡り、能登島へ。イルカウォッチングまたはイルカスイムを楽しむ。イルカスイムをする場合は、山水荘でウエットスーツのレンタルができる(要予約)。夕方は、能登島の海沿いを散歩しながら、夕日鑑賞。夜は、山水荘で宿泊し、新鮮な能登島の幸をいただきゆったり過ごす。

山水荘(要予約)
2日目
ジンベエザメがいるのとじま水族館へ。昼食は、ひょっこり温泉島の湯の食堂で能登島の素材にこだわった「能登島バーガー」をいただく。食後は島を散策し、ひょっこり温泉島の湯を満喫。

のとじま水族館
ひょっこり温泉島の湯

※本プランは当サイトが運営するプランではありません。実際のお出かけの際には各訪問先にお問い合わせの上お出かけください。

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。