現在、山水荘では、イルカウォッチングやイルカスイムを再開している。民宿はなんとか営業できる状態まで戻り、2組限定で予約が可能になった。石田さんはこう語る。
「まずは一歩ずつ。一歩ずつ元通りにしていかないと。道のりは遠いですけど、がんばっていきたいです。その次に、未来のこと。能登島が盛りあがる活動をまたやりたいですね」
1時間ほどイルカを堪能したあと、船は、桟橋に戻ってきた。桟橋には次のグループが待機している。
私は船から下りると、来年の夏に子どもと一緒に次はイルカスイムで参加します、と伝えた。
「いつでもお待ちしてますね」
石田さんは目尻をくしゃっとさせながら挨拶をすると、他のダイバー達を乗せて、船に乗り込みイルカのもとへと戻っていった。
帰り道、豪雨と予報されていた能登島の空を見上げると、遠くの雲は晴れ青空が近づいていた。