未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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長野県小諸市

長野県小諸市の喫茶店兼ゲストハウス「読書の森」が2015年に始めた「里から始まるインターナショナル盆踊りフェスタ」。「盆踊り」と「インターナショナル」を掛け合わせた不思議な夏祭りに参加した。

文= 座光寺るい
写真= 座光寺るい
未知の細道 No.265 |25 September 2024
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長野県小諸市

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#1御牧原に魅せられて

インドで不登校になった長男と、日本を旅したことがある。

夫の転職でデリーに移住して1年ほどたった2019年の冬のことだ。当時9歳の長男とふたり、2週間ほどかけて主に東北地方をめぐった。最後にむかった長野で滞在したのが、小諸インターから車で15分、標高800メートルの山あいにある不思議なゲストハウス「読書の森」だった。

読書の森があるのは、御牧原と呼ばれるエリア。小諸市、東御市、佐久市の3市にまたがって広がる台地には、人間と様々な生き物が共生する豊かな森が存在する。

御牧原の美しい森

長男はそこで、点在するアート作品と交わるように敷地内を駆け回り、生まれて初めてマッチで薪ストーブを焚き、店内にあった手塚治虫をむしゃむしゃと食べ尽くすように読み込んだ。3日間思いのままに滞在し、お世話になったお礼にとドヤ顔でインドカレーをつくる彼の姿は、旅を始める前とは別人のようだった。

2019年12月、読書の森でチャパティというインドのパンをつくる長男

いつかまた訪れたいと願って展覧会やコンサート、映画鑑賞会など読書の森が企画する様々な発信を気にしてきた。なかでもとりわけ興味を惹かれたのが「里から始まるインターナショナル盆踊りフェスタ」である。「インターナショナル」と「盆踊り」という言葉の組み合わせに心が踊った。

御牧原の夕景

中学、高校と佐久市で寮生活を送った私にとって、佐久は第二のふるさとだ。進学で上京したが、結婚して再び佐久に住むようになり、我が子たちにとっては本物のふるさとになった。インドでコロナ禍を経験し、いよいよ日本に拠点が欲しいと思ったときに思い浮かんだのもやはり佐久。

長男と訪れたときの美しい景色や体験が後押しとなり、昨年御牧原に家を建てた。
今や自宅から読書の森まで車で5分。

というわけで、いざ、気になっていたあの祭りへ!!

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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。