未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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人口1500人の村に誕生した本屋さん もくめ書店で世界への扉をひらく

文= 小野民
写真= 小野民
未知の細道 No.260 |10 July 2024
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#6「本屋は儲からない」は本当だけれど……

酒井さんにとってフィットする環境にあるもくめ書店。とはいえ、人里離れた場所にあるから、失礼ながらお客さんが来ない日もあるのでは? と恐々聞いてみたら、平日でも5〜6人ほど、村にたくさんのキャンプ客が来る土日などは30人程度の来客があるときもあるそうだ。

予想より多いです、と素直に告げると、「私もそう思います」と酒井さん。開店して2年、リアルな人との出会いにも恵まれて、ご近所の常連さんから遠方からわざわざ訪ねて来る人たちまで、多様な人たちに支えられているという。

とはいえ、経営は一筋縄じゃいかないし、一人の手ではやりきれないこともたくさんある。酒井さんの夫はキャンプグッズの貸し出しなどをする会社をここで起業して奮闘中。ほかの収入も組み合わせながら、本屋は“とんとん”でなんとか続けている厳しい現実もある。

「でも、続けることが何よりも大事だと思っています。尊敬する書店の先輩にも『5年続けてやっと見えてくる感じだよ』って言われたことがあって。本当にそうだろうなって。楽しいイベントを催して集客したり、地元の作家さんの本を扱ったり、一人出版社のような小さなところを応援したり……小さな本屋なりにできることも模索しながら、まずは5年を目標に続けていきたいです」

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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
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