未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
260

人口1500人の村に誕生した本屋さん もくめ書店で世界への扉をひらく

文= 小野民
写真= 小野民
未知の細道 No.260 |10 July 2024
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#3自分のためってこんなに嬉しい「パーソナルブックセレクト」

もくめ書店に来たら、ぜひやってみたいことがあった。それが「パーソナルブックセレクト」。10の設問があるアンケートに答えると、選書代1000円+本の代金で私にぴったりの本を酒井さんがじっくり選んでくれるという。

10のアンケートの内容は、酒井さんが練りに練ったものだと思うので内緒にしておこう。シンプルな問いではあるけれど、あらためて聞かれるとうーんと考えこんでしまい、この時点で楽しい。アンケートの回答を見ながら、酒井さんが追加で聞いてくれることもあって、そのやりとりでもぐっと距離は縮まる感じがして嬉しい。

心の中を知られるちょっとした気恥ずかしさと、どんなものが出てくるの? というドキドキを抱えつつ 、注文したカフェラテを飲みながらセレクトを待った。

最初に選んでもらった5冊のうち1冊は、私が好きで母にまで贈った数少ない本『ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー』(ブレディみかこ著、新潮社)だった。「わぁ、これすごく好きだったんです。でも、持ってます」と私。「そっかー。もしかしたらと思いました」と酒井さん。でも私が好きなものを選んでもらえてる。なんだか占いみたいなワクワクがある。

そしてさらに代わりに選んでもらった本『海をあげる』(上間陽子著、筑摩書房)も私の蔵書と被ってしまったのだが、これはこれでやっぱり嬉しいのだった。

そして最終的に選んでもらった本がこの5冊だった。

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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。