未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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宮城県仙台市

8月某日、私は仙台市郊外にある「社会福祉法人ライフの学校」の萩の風キャンパスにやってきた……そう聞けば、大学にでもいるのかと思うだろうが、ここは老人ホーム。ほかにも複数のキャンパスを持ち、活動は多岐に渡るのだ。命と向き合うことを模索して居場所をつくり続けている、理事長の田中伸弥さんに会いに行った。

文= 小野民
写真= 小野民
未知の細道 No.242 |25 September 2023
  • 名人
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宮城県仙台市

最寄りのICから【E48】仙台南部道路「今泉IC」を下車

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#1ライフの学校を知ったきっかけ

施設を案内してくれた理事長の田中伸弥さん

福祉と聞いて思い浮かべるのはどんなことだろうか。突き詰めて福祉とは何かと問えば、思索はどこまでもどこまでも深くなるけれど、主に「公的な扶助やサービスで、生活を安定させること」という意味の認識が流通しているようだ。

福祉との接点の濃淡には、個人差が大きくあると思う。あまり意識していない人も多いかもしれない。ただ、無関係な人は決しておらず、福祉を考えることは人の生き死にを考えることとつながっている。

私は数年前、ライターとしていくつかの老人ホームに行く機会を得た。海外から介護の仕事をしに来る人たちがアクセスしやすいようにつくられたメディア。その企画に関わっている1人として、知り合ったのが、ライフの学校の理事長、田中伸弥さんだ。「ライフの学校の……」と自己紹介を聞いて、頭の中にはてなマークが浮かんだのを覚えている。田中さんは私と同世代で、風貌もオシャレだったので、老人ホームに対する先入観がガラガラと崩れた。

「いつか気軽に遊びに来てくださいよ!」

すぐにふらりと訪れたかったけれど、コロナに阻まれ3年が経過し、やっと「遊びに来ました!」と言って訪ねられるようになった時期が今。カフェやシェアハウスといった新事業がスタートして、ひと段落ついたタイミングだった。

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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。