未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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田んぼの間を走るって気持ちいい! 五感をひらくレンタサイクル旅

文= 小野民
写真= 佐竹歩美
未知の細道 No.241 |25 July 2023
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#5自転車だから休み休みマイペースで

この日は休憩や見どころで頻繁に立ち止まりながら、合計10キロほどの道のりを巡った。暑さを差し引けば、電動自転車のおかげで体力的にはまったく問題なかった。上り坂もなんのその。電動自転車にさえ乗れれば大丈夫だし、車通りが少ない道しか走らないので、乗り慣れない故の怖さもない。これなら、20インチの自転車に乗れる身長があれば、子ども連れでも参加できそうだ。

縦列で道を行くので、前後から車が来たときには「車来まーす」と伝言ゲームみたいに伝えていく。この日だけのチームの連帯もなんだか楽しい。車だと駐車スペースを気にしなくてはいけない場所でも、自転車なら容易にひと休みできる。ささやかな見どころであっても気安く立ち止まって解説が聞けるのも、自転車ならではの楽しみなのだと思った。

棚田の名所「蓬田の棚田」、栽培されている食用の蓮根畑、桃の直売所などなど。盛夏ならでは景色をたくさん楽しめた。

公園でのひと休みでは、初めての「チェアリング」体験も。チェアリングというのは、アウトドアチェアなどでのんびり過ごす休息のことだそう。小さく折りたたんで携帯できるチェアを広げて、どすんと座ってしばしくつろぎの時間。

「休む時もなるべく自然に負荷をかけないように場所を選んだり、ごみを少なくする工夫をしたり、エシカル・ツーリズムのやり方を取り入れていきたいと思っています。せっかく豊かな自然がある場所を巡るのだから、そういう知恵も持って帰ってもらえるようにしていきたいですね」(大場さん)

アウトドア用のバーナーにシェラカップを置いて、商品開発中のしんこもちのお汁粉を温めて食べるおまけ付きだった。

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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。