未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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黒茶を嗜む富山の茶会 室町時代より受け継がれた「バタバタ茶」

文= Numa
写真= Numa
未知の細道 No.238 |25 July 2023
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#3北アルプスの麓へ。

小川の左岸に佇む蛭谷集落。背後には朝日岳を中心に北アルプスが広がっている。

調べてみると、バタバタ茶は県内でもひとつの集落のみに現存する風習という事がわかった。そこは、北アルプスの朝日岳を望む「蛭谷(びるだん)」という集落。古代から人々を魅了した宝石「翡翠(ひすい)」の産地として知られる、新潟県に接する朝日町の山間部に位置する。

新潟と京都を結ぶ海沿いの国道8号から県道に入った私は、眼の前にそびえ立つ大らかな姿をした山に目を奪われた。初夏でもかなりの雪が山頂を覆う、巨大な山塊。あれが町名の由来になっている朝日岳に違いない。

車はのどかな田園地帯を進み、北陸自動車道と北陸新幹線の高架をくぐった。山が近づくにつれ平野は丘陵地に代わり、里山の風景へと変化した。せせらぎのような小川沿いをさらに進むと小さな谷に出合い、そこが蛭谷だった。それより先に集落は存在せず、一軒の温泉宿が山中に佇むのみ。私はそれほど遠くない過去へタイムスリップしたような、ノスタルジックな気分になった。

未知の細道のに出かけよう!

こんな旅プランはいかが?

室町時代より受け継がれた「バタバタ茶」体験

最寄りのICから、【E8】北陸自動車道「朝日IC」を下車
1日目
富山県朝日町でバタバタ茶を体験できるのは、「バタバタ茶伝承館」と「朝日町歴史公園/旧川上家」。バタバタ茶伝承館では毎週月・水・金・土の10:00〜15:00、「朝日町歴史公園/旧川上家」では毎週月・木・金・土・日9:00〜15:45まで。冬期は閉館日程については朝日町役場商工観光課(0765-83-1100)へ問い合わせを。

バタバタ茶伝承館
住所:富山県下新川郡朝日町蛭谷484
電話:0765-84-8870

朝日町歴史公園/旧川上家
住所:富山県下新川郡朝日町横水302-1
電話:0765-83-1950

※本プランは当サイトが運営するプランではありません。実際のお出かけの際には各訪問先にお問い合わせの上お出かけください。

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。