未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
215

岩手県一関市

昭和30年代、平成初期に続いて「第3次サウナブーム」と形容される現在。コロナ禍にも関わらず全国各地から人々が集まるという、岩手県のサウナカルチャーを牽引する「古戦場」へ。

文= Numa
写真= Numa
未知の細道 No.215|10 August 2022
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岩手県一関市

最寄りのICから【E4】東北自動車道「一関IC」を下車

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#1岩手県を代表するサウナ

古戦場が営業する国道342号線沿い、東北自動車道一関インターチェンジ付近。古戦場ができた当時は静かな農村地帯だった。

江戸時代の五街道に数えられた奥州街道から一関街道と呼ばれる国道342号線に入ると、全国にチェーン展開している店舗の看板が並んでいた。現代地方都市のバイパス沿いならではの、既視感のある風景を横目に東北自動車道の一関インターチェンジ方面へとクルマを走らせる。やがて、やけにレトロな看板が目に飛び込んだ。その名は「古戦場」だった。

倉庫のようなドラッグストアや大型スーパーマーケットに隠れるように、古戦場は佇んでいた。外壁には「お食事」「お風呂」と張り出されていることからも、ローカルな健康ランドなのだろうということが容易に想像できる。けれどもここに、全国津々浦々から人々が訪れているという事実を知る者は、それほど多くはないだろう。何を隠そう、古戦場は東北を代表するスポットとして名を馳せている。週末になれば東北や関東をはじめ各地から「サウナー」と呼ばれるサウナ愛好家たちが「ととのう」ためにやってくる、岩手県きっての温浴施設なのだ。

古戦場は世の中が新型コロナウィルスの感染拡大に右往左往するさなかに急速に支持を拡大したという気鋭のサウナ。最新のスパ施設なのかと思いきや、昭和末期の1986年にオープンした温浴施設だ。よく言えば「昭和レトロの情緒漂う空間」なのだが、かなり年季が入っていることも否めない。

「本当にここがサウナーが憧れるという東北のホットスポットなのかあ?」と半信半疑の私を、代表取締役の浅野裕美さんが温かく迎えてくれた。

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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
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