石川県七尾市
能登半島の内海に浮かぶ人口約2200人の島「能登島」。2001年に2匹の迷いイルカがやってきた。それから23年間、能登島は野生のイルカがいることで有名な島となった。今、イルカはどうしているだろう。能登半島地震で被災したミナミバンドウイルカに会いに、能登島へ向かった。
最寄りのICから【E41】能越自動車道「氷見IC」を下車
最寄りのICから【E41】能越自動車道「氷見IC」を下車
「わあああ! すごいすごい! こんなに近くで見られるんですか?」
「赤ちゃん、赤ちゃんがいる!!」
イルカが3メートル先に、はっきりと見える。小さな子どもイルカもいるようだ。
サウナのような暑さから解放された9月某日、船の上で私は、まるで小学生のようにはしゃいでいた。
3頭? 5頭? いや、10頭? 一体、何頭いるんだろう……。
「今では18頭になりました。最近では毎年のように子どもが産まれとるんです」
そう説明してくれたのは、民宿「山水荘」のオーナー石田直人さん(41)。イルカ船の船長だ。
航行しているのは、能登島の七尾西湾。震災で通行止めになっている能登島に架かる橋のひとつ「ツインブリッジ」をくぐると、反対側にブルーシートが張られた和倉温泉街が見える。波はなく穏やかだ。イルカの尾びれがあちらこちらで海面に、浮いたり沈んだりしている。