山形県山形市
テイクアウト・地方発送は受け付けていないこのお店のハムを食べるには、現地に行くしかない!学んだ語学を活かすためにイタリアに乗り込んで20年以上になる筆者が、味わったことのないハムを求めて、「IL COTECHINO」に突撃する。
最寄りのICから【E48】山形自動車道「山形蔵王IC」を下車
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そのお店を見つけたのは偶然だった。
2023年の夏、日本に一時帰国したときに居酒屋でスペイン産の生ハムを食べた。店主さん曰く「いままでずっとイタリア産を出していたけれど、輸入禁止で入荷できない」とのこと。
気になって調べてみると、2022年1月にイタリアでアフリカ豚熱の感染ケースが確認されてから、イタリア産の豚肉と加工品の日本への輸入はストップしていた(※)。
(※2024年9月現在、一部豚肉加工品の日本への輸出が再開されている)
「日本ではおいしいイタリアの生ハムが食べられないのかな」とインターネットの海を泳いでいたら、画面いっぱいに吊るされた加工肉の前で、「どうや、俺の肉たち。おいしそうだろう!」と言わんばかりに満足げな顔の男性の写真に漂着した。
お肉屋さんのようだが、さにあらず。イタリアンレストランで、しかも私の地元・山形市にあるらしい。レストラン名やシェフ名で検索すると、「肉の変態」や「生ハムの聖地」など、気になる単語が続々と出てくる。
口コミサイトが普及する前、私のレストラン選びの基準は「シェフがおいしそうな顔つき、体つきをしているか」だった。旅先で店構えがよさそうなレストランを見つけたら、窓越しに店内を覗き込む。シェフの姿が見えたらしめたものだ。「俺、作るのも好きだけど、食べるのも大好きだよ」というオーラが出ていれば、そこは間違いなくおいしい。
私の偏ったレストラン選びのアンテナが、この写真を見て3本一気に立った。
「この人の作る料理を食べてみたい。食べるだけじゃなく、なぜ山形で自家製にこだわってハム・サラミを作っているのか聞いてみたい」
抑えきれない好奇心に突き動かされた私は、2024年8月、笑顔の持ち主、佐竹大志(ともゆき)さんに会いに「IL COTECHINO(イル コテキーノ)」に向かった。