未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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うまい!だけじゃないローカル店の魅力と強み 秋田の回転寿司職人が日本一になった理由

文= 川内イオ
写真= 川内イオ
未知の細道 No.261 |25 July 2024
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#3「おれなんかでいいのかな」

2013年、18歳の見習いの仕事は仕込みを教わるところから始まった。最初は、ホタテを切るところから。お店が開店すると、回転レーンの内側に入って軍艦の作り方を学んだ。なにより苦手だったのは、接客だ。

「お客さんも見ながらする仕事なんですけど、最初の頃はずっと下を見てました。人見知りだったんで。よく、前向けって怒られてましたね」

少しずつできることが増えていって、魚の仕込みを任されるようになり、寿司を握るようになった。職人の世界は、「技術は見て盗む」と聞く。やっぱりそういう感じなんですか? と尋ねると、「そうですね」と頷いた。

「あの人、こういう動きしてる、 じゃあちょっと真似してみようという感じです。それで自分に合うようだったら、それを続ける。いいところはどんどん盗んでいかないと」

  • 握っているところを撮影させてもらった。
  • スピーディーで繊細な指の動き。
  • マグロを切り分ける永田さん。
  • サバを炙る。

働き始めて3年経つと、ようやく余裕が出てきた。常連のお客さんから「頑張ってね」と声をかけられたり、ほかの職人が握った寿司でも、お客さんがなにも言わず、頷きながら食べている姿を見ると、やりがいを感じるようになった。

永田さんが「ひと通り仕事をおぼえた」と自信をつけたのは、5年目。この年、社長から初めて「全日本回転寿司MVP選手権」の出場を打診されたというから、社長も同じ見立てだったのだろう。

2014年に初回が開催されたこの大会は、握りや海苔巻きの技術、魚の知識や接客技術などが総合的に評価される。日本回転寿司協会の会員が参加可能で、永田さんが参加した第4回は全国から17名の職人が集った。

出場の話が出た時、「おれなんかでいいのかな」と思ったという永田さんは、仕事が終わった後に師匠である店長から握り方を教わり、帰宅後は魚について勉強を重ねた。

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こんな旅プランはいかが?

秋田の回転寿司職人が日本一になった理由

最寄りのICから【E7】秋田自動車道「秋田中央IC」を下車
1日目
秋田市内を観光。夜は太助寿司で日本一の職人・永田さんの仕事ぶりを見ながら寿司を堪能する。
太助寿司
2日目
秋田県八郎潟町に足を伸ばし、「日本で最も低い山」として有名な大潟富士などを観光。太助寿司の八郎潟店でランチ
大潟村役場 大潟富士

※本プランは当サイトが運営するプランではありません。実際のお出かけの際には各訪問先にお問い合わせの上お出かけください。

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。