未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
250

神奈川県愛甲郡

ラオスに行ったことがありますか?ラオスを知っていますか?何もないけど日本人が忘れている大切なものを教えてくれる場所。それが愛川町にある。

文= きえフェルナンデス
写真= きえフェルナンデス
未知の細道 No.250 |13 February 2024
  • 名人
  • 伝説
  • 挑戦者
  • 穴場
神奈川県愛甲郡

最寄りのICから【C4】圏央道「相模原愛川IC」を下車

【C4】圏央道「相模原愛川IC」までを検索

最寄りのICから【C4】圏央道「相模原愛川IC」を下車

【C4】圏央道「相模原愛川IC」までを検索

#1中毒性の高いラオス

『ラオスにいったい何があるというんですか?』

村上春樹の紀行文集のタイトルにうなずく。たしかに。ラオスにはタイのバンコクのように華やかな首都も、カンボジアのアンコールワットのように有名な世界遺産も、ベトナムのフォーのように目立つ食べ物もない。ただ、どこの国にも負けないものがラオスにはあると思っている。

それは「人の笑顔」だ。

私が初めてラオスを訪れたのは2007年。ラオスの雰囲気に一目惚れした私は何度か旅行を繰り返すうちに、美容師としてラオスの職業訓練場で技術を教える任務を与えられた。2013年までの間に渡航した回数、13回以上。「以上」というのは13回まで数えていたがそれ以降は覚えていないからだ。トータルでおよそ3年ほど滞在し、思う存分どっぷりとラオスに漬かっていた。

最後にラオスを訪れてからあっという間の10年が経った2023年、とあるラオス人からメールが届いた。

「今、日本だよ。日本に住む夢が叶ったよ」

2007年、当時大学生だったサーンの愛称を持つスラシット・ルアンハーンさん(34)(以下サーンさん)は、確かに呟いていた。今はもう存在しないラオスの首都ヴィエンチャンのゲストハウスにて。

「日本で住むのが夢なんです」

彼は17年の時を超え、国費留学生となり、関東の国立大学に入学し、日本に住む夢を叶えたのだという。

私の中でラオス熱がまた再び高まっているのを感じた。ラオスにまた行きたいなあ。でも、普段住んでいるスペインから飛行機を乗り継いで行くのは少し大変だしな。そう思った時に、閃いた。日本にラオス人が集うラオスのお寺があると噂で聞いたことがあった! そうだ! ラオスに行けないなら日本のラオスに行ってみよう。私は年末年始の一時帰国中、関東に住むサーンさんに声をかけ共に愛川町へと向かった。

このエントリーをはてなブックマークに追加

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。