未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
243

山形県米沢市

安土桃山時代に米沢の地で創業した酒蔵・小嶋総本店。そこでは24代蔵元が、400年の伝統を守りながらも、自らの活動をひとつずつ見直して持続可能な「攻め」の酒造りを行っていた。

文= ロマーノ尚美
写真= ロマーノ尚美
未知の細道 No.243 |10 October 2023
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山形県米沢市

最寄りのICから【E13】東北中央自動車道「米沢八幡原IC」を下車

【E13】東北中央自動車道「米沢八幡原IC」までを検索

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#1最も平均気温が高い夏

9月初旬の朝、JR奥羽本線の山形駅から電車に乗り込んだ。前日の夜に集中豪雨が降ったからか、傘を持っている人が多い。私も前回登場したのがいつか思い出せない折り畳み傘を引っ張り出してきたものの、今日も日差しが強く、扇子の方が活躍しそうだ。

通勤・通学ラッシュとは逆方向に向かう少人数を乗せた電車は、山形の市街地を抜けると、大きなガラス張りの窓に稲穂の絨毯を映し始めた。次々に車窓に表れては通り過ぎる田んぼは、黄緑色から黄金色のグラデーションに彩られている。何百年も、この地域でこの季節に見られてきた光景だろう。

9月上旬、稲の収穫を待つ田んぼ

だが、近年の気候変動は「いままで通り」を許さなくなってきている。気象庁が発表したところによると、今年6月~8月の平均気温は1898年の統計開始以降で最も高かったらしい。山形市では8月中、35度以上の猛暑日がなんと20日間もあった。暑いを通り越して沸騰している。

この環境下で、400年以上の歴史を持つ酒蔵が持続可能な酒造りに挑戦していると知り、話を聞くために私は米沢駅に降り立った。駅の真正面で私を待っていたのは「米澤藩上杉家御用達 東光」の看板。これから向かう小嶋総本店が醸す日本酒の名前だ。

米沢市の玄関口、JR米沢駅前
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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
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様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
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