未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
220

青森県青森市

青森市に近現代の写真や文書などの資料を集めて展示する小さな資料館があるという。そこは、まちの人から託される膨大な歴史資料を、日夜アーカイブして発信する人たちが、切り盛りしているらしい。その一人、相馬信吉さんに会いに、青森に向かった。

文= 松本美枝子
写真= 松本美枝子
未知の細道 No.220 |25 October 2022
  • 名人
  • 伝説
  • 挑戦者
  • 穴場
青森県青森市

最寄りのICから【E4A】青森自動車道「青森中央IC」を下車

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#1『青森太郎』の古写真調査

近代日本に写真撮影技術がもたらされて以降、本州の最北端、ここ青森市でも有名無名の多くの写真家たちによって、数えきれないほどの写真が撮られてきた。

その青森の近代を映し出す、無数の写真やフィルムを集めて調査し、日々アップしているTwitterがある。そのアカウント『青森太郎』のフォロワーは4400人超。青森の歴史を紐解く写真が上がると、たくさんの「いいね」がつけられることもある。

私はこのTwitterを、夜な夜な眺めるのが趣味なのだ。北国特有の毛皮や角巻(かくまき)を纏った人々、大雪のなかを歩く馬、日本髪など今では見られなくなった風俗、ときには青森空襲の被害を伝える無惨な写真もある。自分もうっすら覚えているような昭和の後半頃かと思われる写真がアップされる時もある。

『青森太郎』では、AIの力を借りてこれらモノクロ写真のカラー化を試みることもある。遠い昔に撮られた写真に色をつけると、まるで今の世界とあまり変わらない気がしてくる。色がつくと俄然、映し出された人々が今、目の前で生きているような人間に見えてくるから不思議だ。『青森太郎』は写真が持つ力と人間の想像力、その両方を掻き立てる、そんなツイッターアカウントなのだ。

このアカウントの主は、公務員をリタイアした71歳の男性だという。デジタルデータやスキャニングを駆使して、毎日のようにツイートする71歳とは、いったいどんな人物なのだろうか? いわゆる「なかの人」、相馬信吉さんに会いに私は青森へと旅立った。

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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。