未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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『旅の思い出』編《青森の見方》を考えるリサーチの旅 本州最北端で過ごした1ヶ月間

文= 松本美枝子
写真= 松本美枝子
未知の細道 No.191 |10 August 2021
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#2山のふもとのアートセンター

宿泊棟の前の森

青森公立大学 国際芸術センター青森(ACAC)は、国内外で活躍するアーティストの滞在制作と作品展示を目的としたアートセンターだ。世界的な建築家・安藤忠雄さんが設計した半円形の展示棟と、長期滞在するアーティストのための創作棟、宿泊棟と3つの建物が学内に点在している。

萱野高原から望む八甲田連峰

市街地からやや離れた八甲田山麓に位置するこの大学には、深い森……というか起伏と湿地帯を擁する、もはや「山」と呼んでいいほどの自然があり、地元の人が朝からハイキングや山菜取り、バードウォッチングなどに訪れるほどだ。ここからさらに南下する山道を車で進むと、すぐに萱野高原、そして酸ヶ湯があり、八甲田山系へと続いていく。

八甲田山麓に湧く酸ヶ湯温泉そばの地獄沼

昨年の8月、このACACから私に、一本のメールが来た。ここのキュレーター、村上綾さんから、長期の、そして複数回の滞在制作の依頼だった。それから半年間、短期の下見や、オンラインミーティングを重ね、今回の滞在制作となったのだ。

一回目となる今回の滞在制作では、主に青森の各所をリサーチすることになった。今回のリサーチで新しい作品と展示の構想をたちあげ、次の滞在制作で、実際の作品制作に取り掛かる予定にした。

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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。