未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
179

神奈川県藤沢市

「江の島にデートに行くと、江島神社の弁天様が嫉妬して別れてしまうらしいよ」そう母に言われたのは、ちょうど今の夫とデートで江の島に行き、楽しい時間を過ごした直後だった。あれから10年。私たちは弁天様の嫉妬を乗り越えながら、今でも夏になると江の島を訪れる。

文= ウィルソン麻菜
写真= ウィルソン麻菜
未知の細道 No.179 |10 February 2021
  • 名人
  • 伝説
  • 挑戦者
  • 穴場
山形県尾花沢市

最寄りのICから【E84】新湘南バイパス「茅ヶ崎海岸IC」を下車

【E84】新湘南バイパス「茅ヶ崎海岸IC」までを検索

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#1浴衣のアメリカ人に連れられて

初めて江の島を訪れたのは、大学2年生のとき。当時付き合ったばかりだった今の夫が「前に行って、とてもよかったから」と、デートに誘ってくれたのだ。

アメリカ人の夫は私と出会う前から何度も日本を訪れ、出会ったときも3度目の留学中だった。私よりも多くの日本文学を読み、武将の名前を知り、さまざまな場所に行っていて、よく「日本人なのに知らないの?」と言われていたものだった。

そんな彼が、私に「見えていなかった日本の魅力」を教えてくれたのも事実。実際、あのとき誘われていなかったら未だに江の島には訪れていなかったかもしれない。

「参道」と呼ばれる江の島の入り口は、お土産屋さんや食べ物屋さんでわいわいしている。

その年の夏、留学を終えアメリカへの帰国が決まっていた夫。帰国前に一緒に行っておきたいところとして挙げたのが、湘南の小島、江の島だったのだ。

暑い夏の日だった。朝から夫はなぜか浴衣を着ると言い出して、私は「なぜだ?」と思いながら「いいんじゃない」と言った。「本人が着たいものを着ればいい。口を出さない」という今でも続いている密かなルールは、もうこのときから始まっていたのかもしれない。

夏に「江の島弁天橋」を渡るときは、日傘とサングラス必須。日陰がなく、海からの反射がまぶしい!

陸側から島へは「江の島弁天橋」を渡る。そこから見える湘南の海は、キラキラしていて目が開かないほど。私は浴衣のアメリカ人と一緒に「まぶしい!」と目を細めながら島に渡った。

185℃の鉄板でプレスした、江の島名物「たこせんべい」は、私たちのお気に入りに。

特に何をしたわけではないけれど、江の島デートは楽しかった。島の入り口にある参道には小さなごはん屋さんやお土産屋さんがひしめき観光地らしい賑やかさもあれば、とてつもない長さの階段と山道の先にある江島神社で歴史を感じることもできる。

階段を登ってヒイヒイ言いながらも、私たちはデートを丸一日楽しんで帰宅したのだった。

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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。