未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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『旅の思い出』編 弁天様が嫉妬する? 江の島に通い続けるカップルの行方

文= ウィルソン麻菜
写真= ウィルソン麻菜
未知の細道 No.179 |10 February 2021
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#3楽しく、おいしく、お互いを知る

その翌年も、アメリカに帰国していた夫が日本を訪れたタイミングで江の島に向かった。飽きることなく同じルートを辿り、ヒイヒイ言いながら階段をのぼり、タコせんべいを食べた。「去年はここでこんな話をしたよね」「もう1年経ったね」と、日本とアメリカの遠距離恋愛でありながら、なんとか続いている自分たちの歩みを振り返るような1日だったように思う。

江ノ島水族館は大人から子どもまで大人気のスポット。あまりの行列に挫折した。

その後、夫が日本で就職し、一緒に住むようになってからも江の島はいつも私たちのデートスポットだった。あるとき下調べもせずに「江の島水族館」に行ってみよう、と向かってみると長蛇の列。「並ぶのが嫌い」という共通点を見出して、そそくさと帰った。

カップルは一緒に過ごす時間のなか、さまざまな言動で「この人とはこれからも一緒にいられるだろうか?」「こんなところが合うな、合わないな」と見極めていくだろう。私たちもたくさんの時間を一緒に過ごし、相手の好きなところや譲れないところ、ムカつくが我慢できるところなどを見つけてきた。

たこせんべい再訪。ちなみにこの2枚は別の年のもの。

そして、そのなかには間違いなく江の島での時間があった。永遠に続くような階段の途中で「もう休もうよ……」と言い出すタイミングとか、毎回飽きることなくタコせんべいを食べるとか。1時間以上並ぶくらいなら水族館は諦める決断も、おいしそうなスイーツを買い食いする喜びも。「ああ、この人とはこんなふうに楽しめる」と教えてくれたのが江の島だったのだ。

江の島には、アイスクリームやかき氷などのデザートもたくさん。食べ歩きが楽しい。

未知の細道のに出かけよう!

こんな旅プランはいかが?

弁天様が嫉妬する?江の島の旅

最寄りのICから【E84】新湘南バイパス「茅ヶ崎海岸IC」を下車
1日目
湘南に行ったら楽しんでほしいのが、新鮮な海の幸。名物の生しらすや「江の島丼」を食べたり、かき氷などを食べ歩きしながら気になるお店があれば入ってみよう。もちろん、たこせんべいも忘れずに!
藤沢市観光公式ホームページ
2日目
江の島は、自分の興味範囲によっていろいろな楽しみ方ができる。江島神社を参拝して歴史的な部分を楽しむもよし、新江ノ島水族館でのんびりするもよし。たくさん歩くので、歩きやすい靴で行くことをオススメしたい。
新江ノ島水族館

※本プランは当サイトが運営するプランではありません。実際のお出かけの際には各訪問先にお問い合わせの上お出かけください。

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。