私が圧倒された藤琴豊作踊り。この行事が400年息づいている理由のひとつには、自然と暮らしが近いことも関係あるんじゃないかと思う。なんといっても、藤里を語るうえで白神山地の玄関口であることは避けては通れない。町の人みんながこの雄大な自然を敬っていると感じるし、山の恵みは里山での暮らしの身近にたくさんあるように感じた。
山菜やきのこは昔からのごちそうだし、今は栄養豊富な湧き水を使ったせり、わさび、クレソンなどの栽培も行われている。町営の牧場で育てるサフォーク種の羊肉と食べる「クレソン丼」は新しい名物だ。
白神山地の入り口の、自然を生かし敬う暮らしや祭事には触れられたけれど、実はまだ念願の白神山地登山をしたことがない。年に数回「白神山地世界遺産センター」で開催される登山イベントの案内ばかり眺めているが、今度こそ参加するぞと今は特に強く思う。縁があって、再訪したい場所がある。その想いはすぐに実行しなくては、あれよあれよと遠のいてしまうことを、近頃実感している。