秋田県大館市
地方を旅する楽しみのひとつに「直売所巡り」がある、という人は多いはず。全国には、大小、特色さまざまな直売所があるけれど、名前のインパクトでいえば、『陽気な母さんの店』という直球はかなりのハイレベル。どうしてその名前になったの? という素朴な疑問の答えを知りたくて訪ねた秋田県。そこで待っていたのは、20年以上前に立ち上がった女性達の不屈の物語だった。
最寄りのICから【E4】東北自動車道「鹿角八幡平IC」を下車
最寄りのICから【E4】東北自動車道「鹿角八幡平IC」を下車
「えぐ来てけだしなー(よく来てくれたね)」
目的地に到着してすぐに、社長の石垣一子さんに「今ならきりたんぽ体験に間に合うかも。車に乗って!」と言われて、近くの公民館へ。きりたんぽ作りはちょうど終わってしまったところだったが、大型バスに乗って青森からやってきたツアーの人々が、次の目的地である『陽気な母さんの店』へ向かうところだった。
「去年は140回くらいやったかな。多い年には1年間で200回4000人くらい、きりたんぽ作りましたよ」と石垣さん。秋田名物のきりたんぽづくり体験は直売所の柱のひとつだ。
さて、今回訪ねた直売所『陽気な母さんの店』は、私が農業系出版社に勤めていた10年前に耳にして、妙に気になっていた。今でこそ、女性の社会進出を裏付けるようなロールモデルも頻繁に目にするようになったけれど、20年も前に、地方のお母さんたちが店を出すって大ごとに違いない。
田畑が点在する国道130号線沿いにある、直売所はこの日も大繁盛である。