3つめの視察場所は、「藤野電力」。名前を聞くと会社のようだが、これもまた自発的なグループで行っているアクションで、営利目的ではないそうだ。東日本大震災以後、電力について考えることが多くなったのは、どんな考えや立場の人でも同じだろう。トランジション藤野でもいろいろな意見交換がなされ、しだいに自分や家族が使う電力ってどのくらいだろう? ある程度でも自分で賄えないものか? という視点から活動が始まった。
そこで、鈴木俊太郎さんが中心になり、ミニ太陽光発電システムを自らでつくるワークショップを開催するように。現在20Wコース(240w規模の発電。例えば40whのパソコンを6時間、8Whの電球を30時間利用可能)、160Wコース(960W規模の発電。150Whのテレビを6時間、50Wの扇風機を18時間くらい利用可能)の2つのワークショップは、自分の家にキットを持ち帰ることもでき、それぞれ37800円、54800円で受講できる。
月に1度開催しているワークショップだが、2019年分は9月時点で満席。「東日本大震災から間もない頃は、現状の電力への反発心から参加する人が多い印象でしたが、現在の参加者の気分はちょっと変わってきている気がします。自分たちが使うエネルギーの量を見てみたいとか、自分たちで持続可能な暮らしを作っていきたいという好奇心を持って参加しているんです」と鈴木さんは教えてくれた。
この発電システムを持っていれば、自然災害で停電になったときの非常電力にもなるし、自分で作ったシステムで発電した電気だと愛おしさもわいてくるという。ワークショップは1ヶ月に1度のペースで開かれ、そこに参加した人たちが自分で発電した電気を使うようになっているのだと思うと、藤野電力はなんとインパクトのある種まきをしているのだろう。
未知の細道の旅に出かけよう!
等身大の「持続可能性」に出会う 山あいのトランジション・タウン体験ツアー
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