次に向かったのは、使われなくなっていたプレハブの工場を廃材でリノベーションして生き返らせた「廃材エコヴィレッジゆるゆる」だ。「ここにあるものは99.9%捨てられたものでできています」と村長の傍島飛龍さんが説明してくれた。
開村から6年。イベントに参加したり、村長や村民の紹介があればなれるという「ゆるゆる村民」は400人になり、ここでもさまざまな分科会が立ち上がりつつあるという。訪ねたのはちょうどイベントの日で、大勢が出入りしている「村」の姿は、随所にカラフルな意匠が散りばめられている。
廃材で作られたトイレだってときめきの仕上がりなのだから、ピカピカのウォッシュレットトイレと比べてみたら……と頭のなかで並べてみて、価値ってなんてあやふやなものなのだろうと改めて考えた。
最後には視察のドネーション(寄付)をする。自分で決める値段って難しいな、と改めて思った。地域通貨にしても、ドネーションにしても、自分の価値観や相手との関係性を適切に扱う必要がある。漫然と現金を払うより、心地よい試されている感。便利な世の中で、自分が子どもの頃よりもぼーっと生きているなぁと感じる私には、こういうお金との向き合い方がもっと必要かもしれない。