未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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等身大の「持続可能性」に出会う 山あいのトランジション・タウン体験

文= 小野民
写真= 小野民
未知の細道 No.152 |25 December 2019
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#6材料代はタダ? 廃材でリノベーション

次に向かったのは、使われなくなっていたプレハブの工場を廃材でリノベーションして生き返らせた「廃材エコヴィレッジゆるゆる」だ。「ここにあるものは99.9%捨てられたものでできています」と村長の傍島飛龍さんが説明してくれた。

開村から6年。イベントに参加したり、村長や村民の紹介があればなれるという「ゆるゆる村民」は400人になり、ここでもさまざまな分科会が立ち上がりつつあるという。訪ねたのはちょうどイベントの日で、大勢が出入りしている「村」の姿は、随所にカラフルな意匠が散りばめられている。

廃材で作られたトイレだってときめきの仕上がりなのだから、ピカピカのウォッシュレットトイレと比べてみたら……と頭のなかで並べてみて、価値ってなんてあやふやなものなのだろうと改めて考えた。

最後には視察のドネーション(寄付)をする。自分で決める値段って難しいな、と改めて思った。地域通貨にしても、ドネーションにしても、自分の価値観や相手との関係性を適切に扱う必要がある。漫然と現金を払うより、心地よい試されている感。便利な世の中で、自分が子どもの頃よりもぼーっと生きているなぁと感じる私には、こういうお金との向き合い方がもっと必要かもしれない。

未知の細道のに出かけよう!

こんな旅プランはいかが?

等身大の「持続可能性」に出会う 山あいのトランジション・タウン体験ツアー

最寄りのICから【E20】中央自動車道「相模湖IIC」を下車
今回参加したトランジション藤野主催の1Dayツアーは2ヶ月に1回の頻度で開催。

トランジション藤野の仲間であるmossrock 山、廃材エコヴィレッジゆるゆる、藤野電力でもそれぞれイベントやWSなどを開催しているのでHPやフェイスブックをチェック。mossrockには宿泊も可。
mossrock 山
廃材エコヴィレッジゆるゆる
藤野電力

毎月第1・第3火曜日8時ー11時はトランジション藤野の活動から派生したビオ市が開かれている。

小山さんも働く藤野観光案内所を訪ねて、おすすめプランを尋ねてみるのも◯。

※本プランは当サイトが運営するプランではありません。実際のお出かけの際には各訪問先にお問い合わせの上お出かけください。

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。