未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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「私たちには物語が必要だ!」 森の中の不思議な本屋さん「Bullock Books」

文= 川内 有緒
写真= 川内 有緒
未知の細道 No.145 |10 September 2019
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#8黒磯の街を歩く

それにしても、黒磯はやっぱり不思議な街である。狭い通りの一角に、カフェ、レストラン、雑貨屋、洋服屋、仕立屋さん、家具屋などがひしめいている。さきほど聞いた通り、個人がやっているユニークな店ばかりだ。
せっかくなので、今回はそんなお店の中から、内田さんのオススメの場所をふたつほど巡ることにした。

ひとつめは、「ROOMS」。
「とても素敵なお店で、何も買う予定のない日でも立ち寄ってしまいます」(内田さん)
そこは、アンティークの家具やヨーロッパの雑貨を中心とした美しいお店だ。店主の川瀬真吾さんが西ヨーロッパなどから買い付けた品々のほか、オリジナルの家具も販売する。

「ROOMS」の店内には、素敵な家具や照明がぎっしり。

「こだわりは、長く使い続けられるものを提案することです。本物の素材で、一生使い使い続けられるもの」
そう語る店主の川瀬さんは、もともと家具の製作所で働く職人だった。
「家具職人として働いていたころ、百貨店の店舗の什器製作なども手がけていましたが、コストも限られているので、素材もチープな上に、その店舗が撤退すると全てゴミになってしまう。こういう仕事を続けていてもしょうがないなあ、と感じました」

元は家具職人だったという店主・川瀬さん。

その後、縁あって今のお店を始めることになった。
ヨーロッパから来たセンスの良い食器や家具のほか、何に使うのか全くわからない不思議な品々も。店内のあちこちにクマの置物やグッズが置かれているのは、きっと店主の好みなのだろう。ここも良い意味で趣味が偏ったお店なのだ。

「ROOMS」の外観。大きなファザードが目印だ。

未知の細道のに出かけよう!

こんな旅プランはいかが?

小さなお店とアートを巡る旅 一泊二日

予算の目安2万円

最寄りのICから【E6】常磐自動車道「桜土浦IC」を下車
1日目
矢板や黒磯のユニークなお店を巡ってみよう。今回記事で紹介したお店はこちらです。

高塩菓子店
Bullock Books栃木県矢板市長井1840
Rooms
and & BOY (栃木市那須塩原市高砂町 6-5 202)
MEOW COFFEEが購入できるのは「道の駅 明治の森・黒磯

1988 CAFE SHOZO に寄ってコーヒータイムもおすすめです。
2日目
那須や黒磯には、たくさんの個性的なアートスポットや美術館が。思いのままに巡ってみよう。

現代美術作家の奈良美智さんの美術館「N's YARD
「水庭」が話題を集める「アートビオトープ那須
ノスタルジックな気分になれる「藤城清治美術館

または、栃木市の「蔵の街」に移動し、歴史を感じながらの散策もおすすめ。
遊覧船の船頭唄を聴きながら 巴波川沿いに歩く栃木の蔵の街 | 未知の細道 ※ 栃木市には今回の記事中に登場した増山やよいさんの「湊町エピスリー」も。

※本プランは当サイトが運営するプランではありません。実際のお出かけの際には各訪問先にお問い合わせの上お出かけください。

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。