未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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「私たちには物語が必要だ!」 森の中の不思議な本屋さん「Bullock Books」

文= 川内 有緒
写真= 川内 有緒
未知の細道 No.145 |10 September 2019
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#5物語が溢れる小宇宙

Bullock Booksに向かう。途中で少し不安になっても進み続けよう。

そこまで話を聞くと、さっそく私たちは噂のBullock Booksに向かうことになった。田んぼの景色が続くのどかな道を進むと、分かれ道が現れ、山道の方に進んだ。
そこからが長い、長い! 鬱蒼とした針葉樹林の間を一本の坂道が延々と続く。内田さんがいなかったら、本当にこの道であっているだろうかと不安になるほどなにもない。
「いやー、すごい道だねー!」
「まだ先なのかなあ!」
私とマッシーはその何もなさに感心ひとしきりである。

そうして、5、6分ほど走ったころだろうか。ようやく生活の気配が漂う集落にたどり着いた。
「ここです」と案内された先は明らかに内田さんの実家で、二匹の大型犬が嬉しそうに出迎えてくれる。
人様の敷地に入って良いのだろうか、とやや躊躇いながら奥に進むと、木々が生い茂る美しい庭の一角に、小さなログハウスが見えた。
おお、あれが!!
風がそよめき、木々の葉が揺れ、まるで絵本の中から抜け出たような世界が広がる。想像も期待も裏切らないほどに小さな、Bullock Booksがそこにあった。

建物に近づいてみると、小屋はさらに小ささを増したように見えた。そして、木の扉を開けてなかに入ると、物語が溢れる小宇宙が広がっていた。

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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。