長野県安曇野市
「地域映画」という言葉をご存知だろうか。実は「地域映画」とは、北アルプスの麓にある、夫婦二人で立ち上げた映像制作会社が名付けた、昔の8ミリフィルムを使った新しい映画のジャンルだ。いったいどんな映画なのだろうか? 古くて新しい映画のふるさととなった、春の安曇野を訪ねた。
最寄りのICから【E19】長野自動車道「安曇野IC」を下車
最寄りのICから【E19】長野自動車道「安曇野IC」を下車
「うわー!なにこれ。すごい絶景!」
山頂ヘたどり着いた私たちは、歓声をあげた。
午前中の豪雨が、まるで嘘のような快晴だ。山の上からは、小さな町が見える。水を張ったばかりのキラキラ輝く田んぼが見える。そしてその先には、雨の名残だろう、雲をかぶった北アルプスの山々が見える。
ここは長野県安曇野市、長峰山の頂上だ。この北アルプス山麓の町は、その風景の美しさが、多くの人々に愛され、近代以降は時に絵画や小説の舞台にもなってきた。日本の原風景の一つと言っても過言ではないだろう。
「長峰山からだと安曇野が一望できますよ」と私たちに教えてくれたのは、安曇野市にある映像制作会社「アルプスピクチャーズ」の代表で、映画監督の三好大輔さんだ。私たち、つまり私と今回の旅のカメラマンである舘かほるさん、通称「舘くん」は、アルプスピクチャーズが制作している「地域映画」のことが知りたくて、この町にやってきたのだった。